見出し画像

起業妻とサラリーマン夫による世帯収入の高め方

家計調査報告によると、日本の家庭の収入は、共働き世帯(46歳)で月額平均が60.1万円(ボーナス含む)だが、その内訳は世帯主(夫)の収入が44.1万円、配偶者(妻)が13.7万円となっている。妻が専業主婦の「夫のみ有業世帯」では50.2万円と、共働き世帯よりも10万円程度低くなる。統計は、一部の高年収世帯が平均値を引き上げるため、実際の一般世帯像は、これよりも低いというのが実感だろう。

これから「世帯(家族)」としての収入を増やしていこうとするのであれば、家計の柱となっている夫がリスクを取って脱サラするよりも、妻が起業して収入を伸ばす努力をしたほうが、理想の収益構造を築くことができる。「サラリーマン夫と起業妻」というスタイルは、夫の月給を生活基盤としながら、独自のビジネスにチャレンジできるため、資金面のアドバイスをする、銀行でも推奨している。

妻が経営者として会社を創業し、サラリーマンの夫が副業として会社経営をサポートする「家族法人」の形態は意外と多く、メディアに登場するような有名女性起業家も、そのパターンであることが多い。

昔の家族経営は、小売店や飲食店などの店舗や、町工場を家族全員が手伝いながら切り盛りしていたが、このスタイルは事業が上手くいかなくなった時に、家族全員が路頭に迷ってしまうリスクがあった。しかし、現代では自宅をオフィスとしたスモールビジネスの選択肢が増えているため、夫の給与所得+妻の事業収入というダブルインカムの形も実現しやすくなっている。

また、夫婦それぞれがサラリーマンとして働く、共働き世帯との比較では、サラリーマン夫と起業妻はファミリービジネスを通して、夫婦で共有できる時間や会話が増える。自宅オフィスのワークスタイルは、仕事と育児の両立もしやすいため、ワークライフバランスの面でも優れている。立ち上げた事業が軌道にさえ乗れば、まさに、良いこと尽くめといってよい。

【1割未満に過ぎない女性社長の実態】

帝国データバンクが2018年に行った調査によると、日本で女性が社長となっている会社の割合(女性社長比率)は、国内企業の7.8%と低く、この状況は10年前と大きく変わっていない。女性社長の中でも、5割は親族の会社を引き継いだ同族承継のケースで、自ら起業して会社を立ち上げているのは3割程度に過ぎない。

女性社長比率調査(2018 年)帝国データバンク

しかし、どんなビジネスにおいても、潜在顧客の半数は女性であるため、女性社長であることが優位に作用する事業は少なくない。特に、育児・美容・健康関連・高齢者ケアなどの市場は、女性ならではの着眼点や気遣いが、成功の足掛かりとなるケースは多い。

【女性起業家の着眼/育児ママ専用のフィットネスクラブ】

米国の事例だが、FIT4MOM社は、育児中のママが子どもと一緒に参加できるフィットネスクラブを全米で展開して急成長している会社で、フランチャイズ方式により、スポーツが得意な育児中の女性をビジネスオーナーとしして募ることで事業を拡大している。

同社のトレーニングは、ベビーカーを押しながらのウォーキングや、屋外の公園施設などを利用した体操など、他のフィットネスクラブとは違った独自のエクササイズのメニューを開発している。創業者の女性は、自分が出産した後に、子どもを保育園へ預けて勤めに出ることが心苦しかったのを動機として、子どもと一緒に過ごしながらできる仕事として、このビジネスを考案した。

育児中の女性に対するフィットネストレーニングは、産後のダイエットや美容にに加えて、育児ストレスを改善できる効果があることが、マスコミでも報じられて入会者が増えている。

結婚している女性は、家事や子育てをしながらの仕事となるため、在宅ワークとして行えるテキスト入力、Web制作の下請などを希望する人が増えている。しかし、クラウドで手軽に受注できる仕事は単価が低いことから、パートやアルバイトで働くよりも、実収入は低いのが実情である。同じ時間を仕事に費やすのなら、サラリーマン夫のサポートを受けながら女性社長として事業を立ち上げるのも、世帯収入を伸ばす作戦としては賢い道になる。

■関連情報
女性のための起業テーマ/副業アイデア事例集(JNEWS)
ビジネスモデル事例集(仕組みと収益構造の解説)

JNEWSはネット草創期の1996年から、海外・国内のビジネス事例を精力的に取材、会員向けレポート(JNEWS LETTER)として配信しています。また、JNEWS会員読者には、副業ビジネスの立ち上げ、独立起業までの相談対応をしています。詳細は公式サイトをご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?