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米国サラリーマンの夏休み事情と自分磨きのスタイル

 日本の企業では、“夏休み”として5~9日間の連続休暇を取ることが多い。 ただし、休暇の時期は8月旧盆の頃に集中するため、交通機関は混雑して、ホテルも特別料金となり、充実した休暇を過ごしている人は、意外と少ないのかもしれない。

「日本人は働き過ぎ」とよく言われるが、休日数では世界的に大きく見劣りするわけではなく、むしろ恵まれている。1年52週の中で、土曜日と日曜日が 104日、年間の祝日数が16日、夏期や年末年始の休業期間があり、さらに有給休暇までを加えると、130日以上を休むことも可能だ。

一方、米国の祝日数は年間で10日しかなく、会社として“夏休み(夏期休業)”の期間を作る習慣も無い。さらに、従業員に対して有給休暇を与えることが法律で義務付けられていない、という先進国としては珍しい国である。

それでも、各企業が独自の有給休暇制度を設けており、旅行などをしたい社員は、その有休を利用している。米国労働者の平均的な有給休暇は年間で13日間となっているが、実際に何日休むのかは、社内のポジションによっても異なっており、地位の高い人ほど有給休暇の取得日数は多い。これには、上級職ほど、年俸制や成功報酬で働く人達が多く、自分の休暇を自由に決めやすいことも関係している。

【子どもの心を取り戻す、大人のサマーキャンプ】

米国の企業は、日本のように一斉に夏期休業する習慣はないため、5月末から9月初旬にかけて、交代で1~2週間の連続休暇を取っている。そこで家族旅行や一人旅をするのも悪くないが、近年では日常とは異なる体験ができるイベントが人気化してきている。

そこで市場が成長しているのは、新たな知識教養やスポーツ、趣味の技術が習得できる「大人向けのサマーキャンプ」である。自分が興味関心のあるプログラムに参加することで、新たな人生体験を得られることと同時に、参加者同士で友達や仲間を作れることも魅力となっている。

たとえば、「New England Adult Music Camp」は、メイン州にある海沿いのキャンプ施設で、毎年8月に1週間の日程で行われる、音楽と楽器に関心のある人を対象としたサマーキャンプだ。初心者からプロレベルのプレーヤーを対象とした各種のセミナーや、アンサンブル、グループ形式のレッスンなどが行われる。希望者は自分のスキルに合うコースを選択して、約1週間の日程では、日常とは違った音楽生活に浸ることができる。

参加費は、宿泊費や食事代なども合わせて一人あたり450ドで、毎年恒例のキャンプとなっているため、リピート参加する人も多く、家族や友人を同伴することも可能だ。

New England Adult Music Camp

また、「The Outbound’s summer camp」は、ユタ州、北カリフォルニア州、ノースカロライナ州の3ヶ所で開催されるアウトドアキャンプで、ロッククライミング、カヤック、マウンテンバイクなどの各種アクティビティを通して、参加者同士の交流を深めることができる。

アウトドア生活に憧れを抱いている人は多いが、初心者がゼロからスタートするには危険が伴うし、一緒に活動してくれる仲間も居ない。そこで、インストラクターが丁寧な指導とサポートをしながら、アウトドアレジャーの経験と自信を与えるのが、同キャンプの目的である。参加費は3日間の日程で499ドルだが、この中には宿泊料金は含まれていないため、開催地にあるキャンプ場やグランピング施設の利用料が別途かかる。

The Outbound’s summer camp

米国では、日頃忙しく働いているビジネスパーソンが、毎年または数年に一度、仕事の環境とは完全に離れて、身体と精神をリフレッシュすることの必要性が指摘されようになってきている。これは「リトリート(転地療法)」とも言われるもので、リトリート(Retreat)の言葉には「隠れ家」の意味がある。

大自然の中に身を置くことで、人間本来が持つ感受性や免疫力を取り戻し、バーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐことは、現代のビジネスパーソンにとっては大切な時間であり、仕事以外の自分磨きをすることも自己投資になる。仕事がデキる人ほど、遊び方も上手いのは、成功経営者の中にも見られる傾向だが、それは常に子どもの心を持ち続け、自分のメンタルをリフレッシュできる術を知っているからなのかもしれない。

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