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DXを小さく始める、というときに気を付けたいこと。

こんにちは、ローンディールの原田です。

リーンスタートアップっていう言葉もずいぶん耳になじんできて、「小さく始めていけばいいんだよ」っていう言説もかなり市民権を獲得してきたように思います。

その背景を理解するにあたって、こちらの記事はとても分かりやすかったので、紹介します。

個人や少人数のアイデアが一気に既存大企業の存在を脅かすようになる。そんな、供給側からの「イノベーションの民主化」が起きている。
小さな案件から始めることにして、業績が伸びていけば、それを少しずつ大きなプロジェクトに拡大させることにしていけばよい。

ほんと、その通りだと思います。事業開発のプロセス自体が大きく変わってきている。大きな資本を投下しなくてもできることはたくさんあるし、綿密に準備ばかりしていたらその間に世界のほうが先に変化してしまうなんてことも往々にして起こりうるような時代です。

ただ、個人的にちょっと気を付けたいなと思うことがあります。それは、「小さく始める」ということが、手抜きの温床になってはいけないということです。

立場上、他の方の起業プランとか事業計画とか、もしくは事業推進の打ち手など、レイヤーはいろいろですけどそういうものをお聞きする機会がちらほらあります。お聞きしていると、「もうちょっと考えたらいいのに」って思うことが少なからずあるんですよね。「小さく始めたほうが良い」と思っているにもかかわらず、「もっと考えたら」と思う。このギャップってどこから生まれるのでしょうか。

結論から言うと、「なぜ自分がこれをやるのか」「本当にしたいことは何なのか」ということについてとにかく深く思考し、自問自答できているかどうかということなんじゃないかと思います。自分が取り組もうとしているテーマと、それに対する自分自身の想い、外面と内面に対する解像度を上げていく。この前提があって初めて、「小さく始める」ということの有効性が出てくるわけです。

自分が取り組みたいテーマに対して、小さく始める。すぐにはうまくいかないので、何度も小さく試す。その繰り返しの中で、失敗経験という財産がたまっていく。それをよくよく観察しながら、手を変え品を変えてやっていく過程で、ふとした瞬間にわずかな光明が見えてくる。ここまで行く前提がなければいけないんじゃないかな。「小さく始める」としても、1回やってみて、「あ、うまくいかなかったね、中止だね」ということでは、単なる時間の浪費にすぎません。

何かに執着をしたり思考を深めたりすることと、小さく試すっていうのは一見すると矛盾するように聞こえてしまいます。このバランスがとても難しいのだと思います。だから、例えば大きな組織で何か企画を提案してもすぐにOKもらえないとき、「うちの会社は小さく始めるって発想がないからなー」って嘆いてしまいがちです。でも、もしかしたら問われているのは執着のほうかもしれない。上司は直感的にそれを察知しているのかもしれない。もし何か企画を通そうと思って壁にぶつかったときは、まず、自分の胸に問うてみることも有効かもしれません。

私もいくつか新しいことを始めたいと思っているところなのですが、本当に自分がそれをやるべきなのか、心にちゃんとした引っ掛かりをつくれるかどうか、自問自答をしながら課題に向き合っていこうと思っているところです。小さく試すということを逃げ道にせずに、目的を見据えてやる覚悟、それを両立させて取り組んでいきたいものですね。

それでは。


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