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船通勤先進都市ロンドン

東京都が船通勤の実証実験を24日から行っています。参加した人々からの様々な感想がSNSに投稿されています。

船通勤は以前私が7年ほど滞在していたロンドンでは実用化されていました。市の中心を流れるテムズ川でいくつかの業者が観光用、通勤用の船便を運航していますが、そのうちの1社にMBNA Thames Clipperがあります。

同社は1999年に1隻の船から事業を開始し、現在は年間400万人を乗せています。運行間隔は約20分、運賃は中心部を通るものであれば片道700円台後半から1,000円弱です。地下鉄やバスなど他の公共交通機関よりも時間がかかるうえ、運賃も高いのですが、座れる可能性が高く、快適と言えるかもしれません。

テムズ川は東西に延びているため、東西の居住区からロンドンの中心部に向けた利用が一般的です。西から政治の中心であるウェストミンスター寺院、観光地のウォータールー(観覧車ロンドンアイ)、金融街シティのロンドン橋、ロンドン塔、カナリー・ウォーフ、天文台で有名なグリニッジを通ります。湾岸部の居住区とビジネス街とのピストン輸送の様相が強い東京の実証実験とは異なり、複数の目的地があり、乗降者が多いのが特徴です。

ただ東京の実証実験に参加された方も指摘していましたが、ロンドンの船についても相対的に長い乗船時間、高コストに加えて、もう一つ懸念点があります。船は川の上を移動しますので、夏は汚い川からの異臭が気になり、冬はとても寒く暖房を強めにしないといけません。

2012年のロンドン五輪の際にはテムズ川の南北に点在する競技会場をつなぐ名目でエミレーツ・エア・ラインというロープウェイが開業しました。

このロープウェイはロンドン五輪終了後は特に話題に上らなくなりましたが、東京の船通勤も同様に五輪終了後に話題にならなくなるのか、または新しい交通手段として根付くのか、その動向を見守りたいと思います。

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日本サステナブル投資フォーラム運営委員 青山学院大学非常勤講師 近著に『ビジネスパーソンのためのESGの教科書 英国の戦略に学べ』 ※執筆者の個人的見解であり、日本総合研究所の公式見解を示すものではありません。
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