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今さら消費増税を凍結する方法

いまだに根強い消費増税「先送り」観測ですが、「先送り」を超えて「凍結」との主張も目立ってきました。これまで2度も先送りして更に3度目ともなれば、実態として「凍結」とあまり変わりません。毎年延長される租税特別措置みたいなものです。

日銀の試算によると、19年度の消費増税によって国民負担は2.2兆円増えるそうです(「展望レポート」18年4月のBOX1)。消費税は間接税の一種ですから、消費増税による国民負担の増大を直接的に解消するのであれば、マイナスの間接税、すなわち補助金を2.2兆円追加する必要があります。

消費増税の補助金といえばポイント還元です。買い物の際に登録済みのキャッシュレス決済サービスを利用すれば、消費増税分がポイントとして消費者に戻ってくるという仕組みです。政府が決済事業者に補助金を支給し、事業者は補助金を消費者に還元します。

この制度は2020年6月までの期限付きです。同年7月以降は消費増税分の負担が発生します。政府は消費者向けの還元額として1786億円を見込んでいるそうです。国民負担の2.2兆円とは相当な開きがありますね。もし政府がこのポイント還元制度を無期限に延長し、かつ予算上限を撤廃すれば、事実上の「消費増税の凍結」となります。

ポイント還元の無期限延期・上限撤廃となると、恒久的な財源が必要になります。国民負担の増加は2.2兆円(日銀試算)ですが、最近2~3年は補正予算で「既定経費(主に国債費)の減額」を1兆円以上も計上しているので、恒久財源のネット増額は1兆円程度でしょうか。今年のGW10連休の消費喚起と同じくらいということで、ご参考までに当研究所の試算を紹介させていただきます。


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お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。

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三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所シニアエコノミスト。日本経済の分析・予測を担当しています。

コメント1件

消費増税については先日、元IMFチーフエコノミストのオリヴィエ・ブランシャール氏の提言も話題となっていましたね。

「主流派経済学者が日本の消費増税に反対」(言論プラットフォーム アゴラ、2019年5月23日)
http://agora-web.jp/archives/2039218.html
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