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「紹介」で仕事の依頼がくるフリーランスは、どんなことをやっているのか?

日経新聞に「国内のフリーランス人口が約1670万人になった」という記事が出ていました。

従来ピークだった18年(1151万人)を大きく上回り、15年の調査開始以降、初めて労働力人口に占める比率が2割を超えた

最も増えたのは自由業者で前年比2.4倍の859万人だった。コロナ禍で飲食業や宿泊業で失業が増加。収入確保のため「ウーバーイーツ」の料理宅配員のようなギグワーカーになる人が増えた。資料作成や翻訳などの事務作業をネット経由で請け負うクラウドソーシングサービスなどでも、夫の残業代の減少を補おうとする主婦層の就業が増えたという。

特定の企業に勤める正社員の間でも、テレワークの浸透による隙間時間を活用して本業以外の仕事に取り組む人が増えた。副業者は前年比4.5%増の439万人、複業者は同29.5%増の373万人だった。

記事の中では、「フリーランスの増加に対応した社会保障制度の整備」といった表現もありますが、国が守るにしても限界はどうしても出てきます。

そんな中で私が感じるのは、「自分の身は自分で守る」トレンドがどんどん加速していることです。

よく、フリーランスの方が知人の経営者に「稼働が空いているので何か仕事ありませんか?」というメッセージを送っているケースを見かけます。
しかし、そのアプローチよりおすすめなのは、「最近の案件でこんな資料を作ったので、●●さんにも共有します」のように、相手にお役立ちできるような情報を共有することです。

今回は、フリーランスの案件開拓についてお話ししていきます。

「稼働が空いているからお仕事ください」は、損?

「稼働が空いているからお仕事ください」

こういったメッセージを送っても残念ながら案件は増えません。

自分の強みを発揮して仕事の依頼がどんどん舞い込んでくるような人からは、なかなかこういった言葉が出てこないからです。むしろ、このご時世で稼働が空いている人は、依頼する側に「そうか。この人は”空いている人”なのか」と映ってしまいます

そして、「稼働が空いているからお仕事ください」というメッセージは、受け取った側もリアクションに困ることが多いものです。
依頼ができないときは、「どうやって返したら気を悪くさせないか」と表現に迷ってしまいます。相手に無駄な気遣いをさせてしまい、負担をかけるメッセージになってしまうのです。

「お役立ち情報の提供」が鍵

フリーランスの方が、案件を増やそうとするなら、見込みのお客様や周囲の知人に対して送るメッセージの第一投は「お役立ち情報の提供」がおすすめです。

例えば、「別の案件でこういう資料作ったので●●さんにも共有します」というメッセージは、相手も「ありがとうございます!」と返せば5秒で済みます。
そしてもし読んで興味があったら、何らかコメントもしやすいです。
また、送った側としては、Hotなリアクションが返ってきた見込み顧客に対して、次のアプローチがしやすいです。

さらに、このようにナレッジ共有で案件開拓をする場合、「ちょうど、●●さんが先日、〜〜とfacebookに書かれていたので…」というように、何か文脈があると相手にとっても好印象に映ります。
ただ、テンプレメッセージになってしまわないように注意しましょう

「空いている人」にならないために、お役立ちの引き出しを広げる

フリーランスの方から「知人から案件はちらほらいただくのだけど、もう少し案件を増やしたくて…」という相談をよくいただきます。

「何かお仕事ありませんか」といったテンプレメッセージを送るだけでは、次のステップになかなかつながりづらいということを先ほど書きました。

機会を広げるためには、相手にお役立ちできる行動の「引き出し」を広げておくのがおすすめです。いくつか書いておきます。

①調べた情報を送る
相手が探している情報を、「先日、●●さんがおっしゃっていた件、少し調べてみたら、こういうのがありました」など、代わりにリサーチしてURLとコメント付きで送る

②記録メモを送る
以前、一緒に打ち合わせをしたことのある相手であれば、ミーティングメモ、議事録を送る(絵が描ける人はホワイトボード、図解やグラフィックレコーディングも)

③フィードバックを送る
相手の方が、何かしら世の中に出る活動をされている人であれば、その活動やアウトプットに対して、自分の所感や相手へのフィードバックを送る

④事例や経験を伝える
自分が有している経験や事例が役に立つとわかっている場合は、それを整理して、ちょっとしたドキュメントにして送る

⑤SNS拡散で応援する
イベントや記事など、表に出ている活動をしている相手であれば、その活動をSNS上でシェアしたりして応援する

⑥自分の時間を提供する
相手が「忙しくて大変」な人であれば、自分の時間を無償で提供して、一緒になって手を動かし、お手伝いをする

⑦話をじっくり聴く
「話を聴いてほしい」と明確にサインが出ている場合に限るが、話を聴くことが相手への貢献になることもある

お役立ちの引き出しを広げる方法についていくつか書きましたが、「労多くして実り少し」にならないよう、どこかで案件につながるといいなと感じる方は多いと思います。

そこで、「紹介が起こるメカニズム」について解説します。

紹介が起こるメカニズム

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拙著『なぜか声がかかる人の習慣』に詳しく書いていますが、「知人の知人から紹介で声がかかる」という流れがどうやって生まれるのか、ここで解説します。

たとえば、「自分の目の前の人」にお役立ちしたとします。このとき、「もともとの人間関係」から範囲が広がった「新しく付き合いが生まれた人」にも喜ばれるようなお役立ちを意識していくことで、貢献の質や量がさらに上がっていきます。

周囲の身近な人のみならず、新しく生まれた人間関係においても発揮されているということは、強みの進化によって「再現性」が生まれています。
このサイクルにより、世界を広げた先においても貢献するコツをつかんでいきやすくなります。

この状態が続くと、次第に、自分のいないところで、ポジティブな話題として上る回数が増えます。お役立ちの恩恵を受けた人の間で、「こういう嬉しいことがあった」と、良い意味で噂になるのです。

そのうち、自分のことを「知っている人」と 「知らない人」との間で接触が発生します。
この接触は、リアルタイムでは見えませ ん。しかし、こういった会話が増えることによって、「評判」が広がっていきま す。そうすると、どこかのタイミングで、「あなたにお願いしたいこと」の検討が始まります。

評判を聞いた人が、「こういうことをお 願いしたい」と考えるようになったとき、 そこで「紹介の依頼」が起こります。見えないところで、紹介してもらえないかという「お声」がかかるの です。

無事に紹介が成立すると、間に立っている紹介者があなたに対して、「紹介を承諾してくれてありがとう」とお礼を言ってくれます。
紹介してくれたということは、あなたの強みに可能性を感じていただいたということで す。どういうところに心が動いたのか、教えてもらいましょう。心が動いた瞬間に詳しく なることで、さらに紹介が生まれやすくなります。

さて、ここまで、「フリーランスにとっての案件獲得」をテーマに解説してきました。「稼働が空いているからお仕事ください」というメッセージを周囲に送るだけでは、なかなか案件の依頼につながりません。
強みを活かした「お役立ち」の輪をどう広げていくかが重要です。

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「人と組織の成長を科学する」をテーマに、教育事業や組織開発で15年ほど活動しています。TORiX株式会社代表取締役( http://torix-corp.com )。2019年『無敗営業』(発売から半年強で4万部)、2020年『無敗営業チーム戦略』(発売から2日で増刷)を出版。