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ドイツのチャリティーイベントにボカロゲスト出演:ファンを超えて

ドイツのマンハイムで14日、地元チャリティーイベントにボーカロイドがゲスト出演しました。このチャリティーイベントは、マンハイム大学付属病院の小児科に入院する子供たちに向けたラジオプロジェクト「Radio Rumms」が実施するものです。筆者は今回、現地を訪問することができましたので、レポートを交えてつつ、ボカロの存在について考えてみたいと思います。(今回は写真多めです)

マンハイムは給水塔が町のシンボル的存在で、かつて宮廷文化が栄えた文化の香りがする町です。

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会場の音楽ホールCapitolは収容人数500人程度で内部は伝統的なつくりでした。

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チャリティーイベントはステージ企画のみで途中休憩を挟んで3時間のプログラムでした。ポスターをよく見てください。様々な出演者の中にボーカロイドという表記が見られます。

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出演者は、ロックやラップ、ポップスの歌手に始まり、マジックショーや地元の縄跳びチームやモダンタップダンスの演舞など多岐にわたり、ボーカロイドは日本の「結月ゆかり」と英語で歌う「ダイナ」が出演しました。出演といっても彼女たちはヴァーチャルシンガーですから、紗幕スクリーンを使用した歌唱動画の投影となります。

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ボーカロイドのファンなら見慣れたコンサート風景でしょう。ちなみに以下の写真は歌手のピア・マロさん。ドイツの歌謡曲をハイテンションで歌い上げ会場を非常に盛り上げていました。

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歌だけでなくダンスやマジックショーも披露され、プログラムは非常に多様性に富んでいました。

ここで一度冒頭の写真を思い出してみてください。出演者の集合写真です。これは最後に全員で有名なチャリティーソング「We are the World」を歌った時のものです。まさに王道のチャリティーイベントだったと言えるでしょう。

ファンを超えて、その先にあるものとは、、、

今回のボカロのゲスト出演に尽力したドイツのボカロファン団体「Vocalnexus」のルルさんに会場で話しを聞くことができました。

ラジオプロジェクト「Rumms」は、大学病院の小児科に長期間にわたり入院を余儀なくされている難病の子供たちに向けて、地元公共放送が実施するプロジェクトです。入場チケットの売り上げは病気の子供たちのために使われます。子供たちはラジオを聴くだけという受け身にとどまらず、運営も手伝うなど番組は子供たちの主体的な生活にも貢献しているのだとか。

ラジオ番組では様々な地元の団体や著名なアーティストを招いて話しを聞くコーナーがあるそうです。そこでボーカロイドが話題に上り、ルルさんが話すことがあったそうです。つまりイベントの参加アーティストは番組に招待されたのが縁でチャリティーに参加したというわけです。

ボカロの出演パートで非常に印象的だったことに触れておきます。ひとつ目は、観客の反応。来場者の年齢層は年配の方が半数近くを占めるボカロイベントとしては非常に「アウェイ」な場所でした。会場ではスマホで録画する人なども現れ一様に興味深く鑑賞しているようでした。

ふたつ目は関係者の反応。司会を担当した少女のひとりが「とてもクールだったわ」と目を輝かせて語っていたことです。

まとめます。ボカロのステージを鑑賞するのは通常はファンです。しかし、このイベントでは、年配の方の興味をそそったり、子供たちが目を輝かせたりといった新たなボカロとの出会いが生まれていました。ボカロがファンを超えて、より一般的な人に興味を持ってもらえる瞬間を目の当たりにしました。

ファンの先には普通の人たちがいた。

ドイツでの話しです。ドイツの社会がボカロに関心を寄せているようです。日本からももっと何か仕掛けてみたいと改めて思いました。

おまけ:当日はエントランスホールにボカロファン団体のお手製によるボカロキャラのバナーが設置されてました。

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※写真はすべて現地で撮影しました。

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