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仕事は社会とつながる窓であるからこそ、生涯現役は生きがいの話だろう

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

日経電子版に以下のような記事が出ていました。92歳でバリバリ現役!ギネス世界記録にも認定されたという「世界最高齢の総務部員」の方だそうです。

「世界最高齢の総務部員」としてギネス世界記録に認定され注目を浴びる人がいる。大阪府豊中市の会社員、玉置泰子。週5日、午前9時から午後5時半までフルタイムで働く92歳だ。勤続66年、エクセルを使いこなし、所得税も納める。
90代で働くなんてまれ――とは決めつけられない。総務省が5月に発表した2020年の国勢調査の就業状態等基本集計をみると、90歳以上で「雇用者」として働く人は約5000人に上る。95歳以上も約500人。オーバー90歳、アラウンド100歳の働き手が活躍している。

日経電子版

少子高齢化と言われて久しいですが、今後一番伸びていく世代は65歳以上のセグメントです。一方で定年は60歳から65歳に伸び、今後の後ろ倒しされていくことが予想されています。しかしながら、急速に減少していく現役世代だけでこれを支え切れるかというと、正直制度設計に無理があると言わざるを得ない状況です。

働くというとフルタイムで9時から5時まで働かなくてはいけないように思いますが、昨今の働き方改革やITの進歩に伴って週2であったり、1日数時間程度の仕事はたくさんあります。また、今ある仕事を見直して細分化する、もしくは複数人で担当するようなこともできるでしょう。人材不足がより深刻化してくる近未来においては、そのような労働力でも貴重です。支えなくてはいけない家族がいる世代は(収入面において)短時間の仕事は敬遠するでしょうから、フルタイムの仕事はむしろ積極的に現役世代が担っていくほうがマッチングが進むことでしょう。

働くということは、収入面のメリットだけにとどまりません。人とコミュニケーションをとる、日々の身だしなみを整える、歩いて通勤をする、社会とのつながりを感じて必要とされる等々、そのそれぞれが健康寿命の増進にも役立つと考えています。今後一人暮らしが増えていく社会において、会社や仕事を通じたゆるいつながりはより重要性を増すことでしょう。

今後、800万人もの労働力が不足することになれば、終身雇用や定年といった戦後の日本特有の特殊な労働環境はなくなっていくはずです。ライフとワークのバランスを理解して、生き生きと仕事ができれば、60代、70代になっても元気に生活することができるでしょう。
 人間は、長生きができれば幸せというものでもありません。大切なのは、自分のことは自分でできる、自立して生活できる「健康寿命」を延ばすことです。知人の医師いわく、健康寿命を延ばすためには、働くことが一番だそうです。仕事があれば、朝起きて、服を着替え、ヒゲも剃れば、化粧もする。働くことと健康は、相関するものなのです。

日経Gooday

現在の社会福祉制度は高度経済成長期につくられたものが色濃く残っています。配偶者控除などが代表的ですが、一家を支える大黒柱(男性)を家族ぐるみでサポートする仕組みです。未婚率の高さも今後の課題となってきます。

重要なのは、働きたいと思える制度へとアップデートしていくことです。今はまだバリバリ働きたいけど税金や社会保障費が増えることで躊躇してしまう方もいるようです。公平性の観点に配慮しながらも、やる気のある方々が積極的に働きたいと思える社会環境を整備することが、今後の日本の持続的な成長のために必要不可欠であると思います。

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タイトル画像提供:mits / PIXTA(ピクスタ)

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