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中国の動画視聴アプリ苦戦、若者を中心に投稿型ショートビデオへシフト

中国の動画市場は、日本とは前提が違い、説明も評価も難しい。まずテレビ番組が面白くない。抗日ドラマや、共産党、公安が活躍するワンパターンが多かった。したがって外国モノを中心とした海賊版DVDや、違法アンテナによる闇視聴がはびこった。

2014年4Gの時代が到来、ネットによる視聴へ急速にシフトしていく。ここで活躍したのが動画視聴アプリだ。紆余曲折の末、現在生き残っているのは、愛奇芸(百度系)、優酷(アリババ系)騰訊視頻(テンセント系)の3つである。正規の版権を取得しなければならず、結局、資金力のあるIT巨頭BAT系に集約された。彼らは海賊版の駆逐に貢献した。

その1社、愛奇芸の決算は思わしくなかった。第二四半期決算を見ると、売上71億元に対し、純損失が23億元、とても利益の出るビジネスモデルではない。経済の停滞による広告費減少や、オリジナルコンテンツ製作のコストが大きいという。一方、有料会員は初めて1億人突破した。例えば主婦層では、有料会員となって韓ドラを見る、といった利用方法が定着している。ここだけは事業として機能しているようだ。

最近、モバイルによるアプリ使用時間のデータ(第二四半期)が発表された。それによると1日の平均利用時間は4.7時間、内訳トップ3はSNS…30.6%、短視頻…13.5%、在線視頻…10.7%である。在線視頻とは、動画視聴とほぼイコールである。これが今年に入り、短視頻に逆転された。

それでは短視頻とはなにか?主に、小紅書、TikTok、快手などのショート動画の投稿シェアリング機能を持つアプリを指している。若者を中心にこれらの視聴時間が伸びているのである。

TikTokは、日本でもテレビCMを打つなど知名度を上げた、世界的なショートビデオのヒットアプリだ。中国のユーザー数は3億、快手はこれに対抗するテンセント系のアプリで、ユーザー数は2億。小紅書は複合アプリだが、投稿による情報が豊富で、女性から絶大な信頼を得ている。

これら短視頻の視聴時間が増えたのは、ネット通販とリンクしたことにも拠っている。小紅書は、元々越境Eコマースの出身である。またTikTokなどのショートビデオの、WeChatやネット通販への貼り付けは、大流行している。通販の方でもアリババは、自前で淘宝直播というビデオプログラムを運営している。そして、一部の有力KOLは、このフィールドで大金を稼いでいる。金儲けに直結することで、一段と注目度を増しているのだ。

生活スタイルに関することでもあり、コンテンツがすべて、というわけでもなく、今後の展開を見通すことは難しい。しかしB2Cビジネスの日本企業にとって、これらの主力アプリの消長は、宣伝戦略、中国事業展開にも関わってくる。十分注意したい。

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中島嘉一(プラスチャイナ CEO / 36Kr Jap...

プラスチャイナ株式会社CEO / 中国スタートアップ専門メディア 36Kr Japan 顧問 / 23歳から10年中国滞在 / 上海で起業 / 日経COMEMO KOL / NewsPicks注目ピッカー

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