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年金改革は専業主婦の優遇廃止で

年金改革が議論されています。「中小企業の短時間労働者も厚生年金に加入させよう」「75歳まで年金保険料を納めて75歳から年金を受け取れば毎回の受取額が増える制度を作ろう」といった事が検討されているようです。
しかし、こうした改革は一時しのぎです。年金財政は一時的には改善するでしょうが、将来は年金を受け取る人が増えたり多額の年金を受け取る人が出てきたりするので、結局現状並みに戻ってしまうからです。
一つの選択肢としては、「75歳まで年金保険料を納めて75歳から年金を受け取るようにする。年金の金額は今と同額にする」という改革は考えられます。結果としては同じことですが、「年金保険料を大幅に引き下げる」「75歳まで年金保険料を納めて75歳から年金を受け取れば毎回の年金受取額が増える制度を作る」という二つを併用することも可能でしょう。
今ひとつの選択肢としては、「サラリーマンの専業主婦にも国民年金の保険料を払ってもらう」という制度が考えられます。これは、公平の観点からも経済政策の観点からも望ましいものです。
現在、サラリーマンの専業主婦は、年金保険料を払っていないのに、老後は年金が受け取れます。「夫が厚生年金保険料を支払っているので、妻も支払ったことにしてあげる」というわけですね。この制度は廃止すべきです。
自営業者の専業主婦も失業者の専業主婦も、国民年金保険料を支払っているのに、サラリーマンの専業主婦だけが払わなくて良いというのは、どう考えても公平ではありません。夫がリストラされた途端に妻に請求書が来るわけですから。
サラリーマンとサラリーウーマンの共働き夫婦は、二人とも厚生年金保険料を払います。これも変な話です。「サラリーマンの妻は家にいて家事育児をしなさい」と言っているようですね(笑)。
制度が出来た頃は、自営業者(農業や零細商店など)は共働きで、サラリーマンの妻は専業主婦ばかりだったのでしょう。当時は家電製品も無く、子供の数も多かったので、共働きは無理だったからです。その当時ならば、この制度は合理的だったのかも知れませんが、時代が変わったのですから、制度を変えるべきです。
今ひとつ、この制度がある事で、パートで働いているサラリーマンの主婦が「130万円の壁」を意識して働く時間を制限してしまう、という問題があります。専業主婦も年金保険料を支払うことにすれば、こうした問題も生じないはずです。
是非、検討して欲しいですね。


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2005年まで、銀行員として、主に経済調査関係の仕事(景気の予想屋など)をやっていました。 現在は久留米大学商学部の教授ですが、堅苦しい理論の話より、景気や経済の話、資産運用の話など、役に立つ経済の話を中心に投稿していきます。よろしくお願いします。
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