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タチの悪い景気後退

輸出がダメでも雇用や投資は強いので景気は大丈夫、などという楽観的な雰囲気は、株価が高く、かつ為替レートが円安の時に蔓延しがちです。

しかし円高・株安はたいてい唐突に発生し、かつ急速に進行します。堅調な消費と投資は、実は株高と円安に支えられていたに過ぎず、結局、内外需ともに落ち込んで景気は後退します。私の感覚では、この景気後退パターンが一番タチが悪い。リーマン・ショックが発生した2008〜09年や、平成バブル景気が崩壊した1991〜93年がそうでした。

企業にとって、雇用や投資は固定費です。いったん収益環境が下向きになると、その調整コストが大きくなり、景気の落ち込みに拍車がかかります。過剰債務の発生が、金融危機を招く展開も少なくありません。

そうした深刻な景気後退が発生するかどうかの目安として、私は「一致・遅行比率」に注目しています。国内全体の生産や収益などの動きを示す景気動向指数(CI)・一致指数を、一国の雇用や設備投資の動きを色濃く反映する同・遅行指数で割った「一致・遅行比率」が、景気の拡大局面でダラダラと下降している場合、その後の景気後退が深刻になっているように見受けられます。ご参考までに、トップ画像に一致・遅行指数(直近は19年5月)の推移を掲載します。

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お読みいただき有難うございました。 小難しい経済ニュースをより身近に感じて頂けるよう、これからも投稿してまいります。

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宮嵜 浩(エコノミスト)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所シニアエコノミスト。日本経済の分析・予測を担当しています。

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