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「お食事会」市場で、外資コンサル、外資投資銀行が高い支持を得る理由(2)

前回、外資コンサル、外資投資銀行、大手総合商社が合コン市場で人気であること、そして、その理由が年収の高さではないことを検討してきた。

本稿では、その続きとして「外資コンサル、外資投資銀行、大手総合商社が合コン市場で高い支持を得る理由は、芸術、文化に対する理解、洞察にある」ということを検討していきたい。

お食事会は、芸術鑑賞を楽しむ場で「も」ある

ここからは、合コンをお食事会と言い換える。それは、会話や出会いを楽しむ場でもあるのだが、一方で、そこで供される食事や飲み物を楽しむ場でもあるからだ。外資コンサル、外資投資銀行、大手総合商社のビジネスパーソンは、お食事会での食事と飲み物の内容に、非常に高いこだわりを持つことが多い。

なぜなら、普段の仕事のコミュニケーションの場として、食事会を催すことが多く、その中でクライアントやステークホルダーにその場を楽しんでもらえるよう、創意工夫を重ねているからだ。これらクライアントは、北米、欧州、アジアのエグゼクティブであることが多い。彼らに、素敵な料理と飲み物を用意し、そこで料理、飲み物を通じて、相互の文化、歴史、風習を理解しあう。

言い換えると、料理や飲み物から、その歴史を紐解き、文化を語り、料理や飲み物を、芸術作品として鑑賞するのである

こういった場の提供は、合コン市場の中では珍しいケースのようで、また提供できるビジネスパーソンの数も限られることから、「有意差」のある差別化を実現できているようだ。

例えば、この季節鮎を楽しみ始める時期だが、Michelin三ツ星を獲得したこともある「銀座小十」では、鮎を40分焼き上げることで、頭からすべて食べられる鮎を提供してくれる。

一般的に鮎は数分で焼き上げられるものだが、備長炭との距離をしっかり管理して、40分焼き上げると、全く骨が障ることもなく、頭から尻尾まで美味しく頂くことができる。そして、鮎を食べたときに感じるスイカの香りをきっかけに、珪藻類の話、日本の河川の話、日本の河川と北米や欧州の河川の違い(この辺りは、SAPIXでも習うことである)などの話になり、地政学の話へ発展していく。

また、鮎は清流で生活する生き生きとした姿を表現する。(写真は小十ではなく、別のMichelin店のもの。こちらも40分ほど焼き上げる)

この形式美のこだわりから、料理が表現する花板、焼き方の想いを想像する。これは、まさに芸術鑑賞だと言えるのである。

次に検討するのは、料理の芸術性について

もっとも、これから真剣に料理を「芸術鑑賞」するというのであれば、「そもそも料理は芸術の一つである」ということを確認しなければならない。そこで、次回は、

1.料理とは芸術なのか

2.そもそも芸術とは何なのか

という点について検討していく。

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牧田 幸裕 名古屋商科大学ビジネススクール 教授

名古屋商科大学ビジネススクール 教授。専門は、経営戦略、マーケティング、デジタルマーケティング、ラーメン。日経COMEMOキーオピニオンリーダー

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日経が推す各業界キーオピニオンリーダーたちの知見をシェアします。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 はじめての方へ→ https://bit.ly/2DZV0XM 【...
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