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2019年タオバオの双11セール。4兆円売上げのデータから見えてくる中国の今と未来

中国で一番盛り上がるイベント「双11のセール」が11月11日に行われ、さっそく中国ECサイトの大手2社が実績を公開しました。

11月11日0時から丸一日、24時間での成績はTmall(アリババ)は予約も含めて成約金額が2684億元。JD(京东)は11/1から11/11までの予約なしで成約金額が2044億元。

でどっちも自己ベストを更新。

他にも「Suning」「拼多多」(ピンドウドウ)も参戦しましたが、どっちも成約金額を公開していません(11月12日16時現在)。「拼多多」は最近注目を集めているので正式なデータをぜひ見たいですね。そしてアマゾンは遠く及ばず、中国での苦戦は鮮明にわかりました。

今日は日本のメディアとかは紹介していないであろうちょっとマニアな内容を、Tmallのオフィシャルデータを使いながら、いろいろと紹介したいと思います。これを見ると中国の今がいろいろ見えてくると思います

(Tmallは宣伝も含めてビッグデータに基づくユーザーの購買状況を公開してます。参考資料のところに貼っておくので中国の市場に興味があればぜひ読んでみてください。)

まずはみんなも紹介している時間での売り上げの推移ですが

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1分36秒で100億元を超え
1時間3分59秒で1000億元を超え
16時間31分12秒で昨年の記録の2135億元を超え
24時に2684億元で記録更新

めでたいです、そして販売促進を死ぬほど考えたのでしょう。海外からも注目を集めるために、今年は同時並行してたライブにTaylor Swiftが登場、YoutubeでもLive公開しました。明確な目的が見えますね。

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そして参加者が5億人で昨年より1億人も増えたそうです。今年は食事のデリバリとかも参戦したからかもしれないし、ますます多くのユーザーがタオバオビジネス圏に入ってきていることがわかります。

また、100万の新商品が11月11日に合わせて発売され、299のブランドが成約金額1億元超えで「億元クラブ」に入りました。この上の10億元クラブには日本ブランドからユニクロやソニー、パナソニックなどが入っています。

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↑10億を超えたブランド(金額順ではない)

度々noteで紹介してきたタオバオ中継で成約した取引は200億元弱だったとのこと。また、注文のピーク時には一秒で54.4万件の取引が成約したとのことです。この数字からも世界トップのECサービスであることを見せつけました。

配達物が12.92億個を超えたのですが、驚くべきことに朝8時にすでに200以上の都市に「届いた」らしいです。ユーザーからは「朝起こしてくれたのはアラームではなく、配達のお兄さんだった」とコメントがありました笑

いかに中国の配送レベルが上がってるかがわかりますね。これでいてしかも安い、勉強になることがたくさんありますね。

↑倉庫での大変そうな動画がtiktokに上がっておりました。仕分けとかを自動化してなかったら死ぬよねこれ。。

ちなみにこんな尋常じゃない数の配達物はどうやって運送されたかというと、配達会社自社の飛行機などのフル稼働はもちろん、新幹線まで使ったそうです。

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↑中国配達大手SFの自社飛行機が1111セールに備えてスタンバイしてた。

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↑新幹線の席にカバーをかけて配達物を運送。

さらにジャンルごとのブランドランキングTOP10も公開されました。詳細な資料で面白いのですが、あまりにも長いのでリンクだけ貼ります。気になるものをいくつかピックアップします。

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まずはデジタル部門です。英語名もあるからわかりますかね。中国のネットユーザーは散々アップルの愚痴を言うけど結局買ってました。
ちなみにこういう場合中国のネットユーザーは「口嫌体正直」(口が嫌だと言っても体は正直なものだ)と言いますね。

携帯だけだとこれです↓

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以前noteでも紹介しましたが、アップルは今年初めて11月11日セールに本格参戦してきて値下げして売ってました、その成果が出たようですね。3位の「HONOR」はHuaweiの若者向けブランドなので、2位と3位合わせてappleを上回ってるのかどうかもすごく気になってます。

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ジュエリー部門ではTOP3全てが「周xx」になっていて、周氏すごいな、ワロタ。

他にも面白いデータはいっぱいあります、やはりショッピングプラットフォームのデータって凄いですよね。。厳選して紹介します

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↑猫の餌と犬の餌を同時購入したユーザーの中では、90年代生まれが最も多いです。過去にもnoteに書いてますが、中国のペット市場は可能性に溢れてることがここでもわかりますね。

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↑意外なことにカツラを購入したユーザーは90年代生まれが最も多く、上海や北京のような巨大都市の購入者が多いです。これもnoteで紹介してきたように996労働のプレッシャーによるところ大きいと思います。

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このデータに対してTmallのオフィシャルWeiboアカウントがこんな発信↑
「90年代生まれの皆さん大変ですね。家のペットの面倒も、自分の髪の毛も、心配こと多いですね」って、思いやりありますね笑

そうそう、日本勢について。「大家电」という大型家電製品部門で日本メーカーは惨敗でした。化粧品部門ではSK-IIが唯一の日本ブランドで5位になりますが、こちらもかなり苦戦ですね、もう海外の化粧品の方が良いよね。。

でも落ち込まないで!女性服部門と男性服部門ではどちらもユニクロが1位、時計眼鏡部門ではカシオが1位に輝いてます。日本のものはオワコンではなく、ニーズに合わせられれば十分一位になれるということですね。

ということで、たくさんの数字は中国の今と未来を映し出していたと思います。勉強になります!

ここからは個人的感想なんですが、けっきょく今年はTmallでもJDでもたくさん買い物しちゃったから、中国のネットユーザーが冗談で言う「とんでもない大きいプロジェクト」に僕も携われました。今はホッとして商品が届くのを待つ楽しい毎日です。(ただ買い物しただけなんですが。。)

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(参考資料)


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