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ジョブ型かメンバーシップ型か:パーパス型です

 従来のメンバーシップ型の日本型経営に代わり、ジョブ型の雇用が注目を集めている。
 結論からいうと、メンバーシップ型もジョブ型も時代に合わないと思う。
 動脈硬化を起こした日本の企業に必要なのは、新しい事業への機動力であり、これを可能にするための人への投資である。
 常に実験を通して学習し、先の見えない中で新たな道を作っていく人材であり、その人材と実験への投資を可能にする組織やルールである。このような活動では、機動力が命である。
 ジョブ型では、

 ・与えられた仕事の役割や権限の範囲で責任を果たす
 ・自分の専門性の範囲内で卓越した仕事をする

が大事にされる。これは機動力を制約する。今大事なのは、むしろ

 ・目的の成功に必要なことは何でもやる
 ・大義や仕事の意義(パーパス)にこだわり、手段にこだわれない
 ・そのための仕事の権限や資源は、実績によって獲得する

である。
 このような成功した起業家によくみられる仕事に仕方は、経営学で実証的に研究されており、米国のサラス・サラスバシー教授はエフェクチュエーション(Effectuation)と呼んだ(広島大学の牧野准教授に教えていただいた)。我が国が世界に誇る知識創造理論の野中郁次郎先生のSECI理論も、同じ方向を向いているように思う。
 このような働き方は、ジョブ型でも、メンバーシップ型でもない。ジョブ型は、下手に行えば、このあるべき姿から離れるリスクすらある。
 敢えて、この新しい仕事と雇用の形態に名前をつけるとすれば、
 
 パーパス型(大義型)

であろう。自律分散的なネットワークを形成し、組織や法人枠を越え、パーパスに集い、前進させる組織である。
 このような生きがいと利他に満ちた組織こそ、21世紀にふさわしいと思う。


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