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コロナよりインフルより怖い、メタウィルス

どこでバズった(炎上した)のか分からないのですが、2月末に書いた「インフルエンザの方が1万倍も怖いはずなのに…みんな一回落ち着こう」という記事が未だに週2万アクセスくらいあります。ググってみると、色々なところでお叱りの言葉をお受けしているようで、コメントを拝見すると、確かに説明が足りてなかったところとか、読者の方と私の基本前提の違いを意識できていないところとかに気付かされ、改めて不特定多数に向けて情報発信する難しさを実感しました。

記事を書いてから3週間ほど経ち、その間にも凄まじい勢いで状況が変わっていきました。イタリアを始め、ヨーロッパ各国の状況は日に日に悪化してきており、フランスに住んでいる私の両親も、許可証が無くては自由に外を出歩けないような生活を強いられています。ニューヨークの友人も仕事に行けない状況が続いており、このままでは職を失って家賃が払えなくなるかもしれないと不安な日々を過ごしているようです。私自身も、週に2~3回はイベントを開催する(していた)会社を経営しているので、今回の騒動は如実に日々の生活に影響を及ぼしています。こうして、家族や友人、自分自身にも直接影響が出始め、当事者となって改めて思うことは、やはりみんな落ち着こうよということです。

こちらの「新型コロナは、人類史上初の”思考”に感染するウイルスかもしれない」という記事が大変興味深い指摘をしている通り、今回のウィルスが一番恐ろしいのは、その病原体としての威力以上に人々の思考に影響を与えていることにあると思っています。私自身、以前の記事でも書いたとおり、このウィルス自体はここまで世界中が恐慌状態に陥るほど怖いものでは本来ないと今も思っています。みんなが落ち着いて行動し、手洗いを徹底する、人と会う時はマスクするなど、インフルエンザと同程度の対策をきちんと取れば、こんなパニックになるほど不必要に恐れるべき病気ではないのです。色々と反論をもらったので補足しますが、私も新型コロナの集団感染による医療崩壊などのリスクは当然認識しています。しかし、それもまた、本当に怖いのはウィルス自身よりも、人々が不安を抱くことで病院に殺到したり、無症状な人すら検査することによって検査機関がパンクして病室が足りなくなるといった、落ち着いて行動すれば避けられる事態のはずです。

この不安というのが、新型コロナの影響を理解する上で極めて重要なキーワードだと思っていて、今回の騒動を沈静化する上でワクチン以上に必要なのが、人々の不安を和らげることな気がしています。しかし、不安の感じ方というのは遺伝子レベルで個体差があるため、私のように不安を殆ど感じないタイプと、自分自身では不安をコントロールできないタイプの人とでは、なかなか理解し合うのが難しいレベルのギャップがあります。私の記事に対する批判を色々と読んで実感したのも、私が不安を感じてしまう方々の気持ちをきちんと考えられていないことが、想定していなかった形で読者の方を不快にしてしまったのかもということでした。

そして、新型コロナの真の脅威は、その感染力が高いこと、無症状の人と重症化する人の差が激しいこと、ワクチンが開発されていないこと、まだ解明されていない部分が多いことといった、人を不安にする要素をたくさん持っていることです。そこに、SNSやスマホの発達で誰でも情報発信ができるようになった今の状況が重なり、必要以上に不安だけが加速度的に高まったことで、純粋にウィルスの身体的影響がもたらすよりも遥かに大きなスケールで実社会にダメージを与え、結果的に経済がボロボロになってしまいました。「思考に感染するウィルス」の筆者がコンピューターウィルスに近いとおっしゃっていますが、今回のウィルスは生物学的な側面よりもメタな側面で遥かに恐ろしい病気に発展してしまった。

そういう意味では、コロナがメタウィルスとして社会にダメージを与えたのとまったく同じことが、感染症以外でも容易に発生する状況にあるということを、我々は肝に銘じておく必要があります。インターネットによって世界中の人々が繋がり、特に科学的根拠がなく無駄に不安を駆り立てるようなノイズも簡単に広まってしまう状況というのは、免疫系が機能していない状態だと言えます。かといって、中央集権的に情報の良し悪しを何らかの機関が独善的に選別することも望ましくありません。つまり、私達は、不安を駆り立てるようなメタウィルスに対して、自分自身が情報の免疫系を確立する必要があります。気候変動を始め、今後もコロナと同じようなメタウィルスが発生する可能性は極めて高く、今回のパニックを教訓に、一日も早く一人ひとりが自身の情報の免疫力を高めることが重要です。そのためにも、まずは落ち着きましょう。とはいえ、どうしても不安を感じる遺伝的特性を持った人にとっては、その落ち着くというのがすごく難しいのだと思うので、どうやったら人の不安を和らげることができるのか、メタウィルスに対するワクチンの開発というのが必要なのでしょうね。

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事業立ち上げの専門家として、数々のスタートアップや大企業の事業部立ち上げに従事。現在は、株式会社EDGEofのco-CEOとして、日本のイノベーションエコシステムの国際化に邁進、20カ国以上の政府と様々な取り組みを進めている。J-Startup推薦委員。
コメント (1)
頭の中で起きていることが、外側に起こって見える筈だから、情報の精査は、大事だなと思っています。わたしはどっちかと言うと不安感が強く出やすいタイプなんだけど、テレビを持っていないので観ていないのです。それだけでかなり平常通りの生活が出来るんですよね。SNSのタイムラインも、なるべく情報の精度が高くなるように組んであるので、不安対策としては悪くないです。いいnoteありがとう。
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