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官民ファンドの理想形はありえるのか?産業革新投資機構の役員辞任に関して

産業革新投資機構(以下JIC)で社長以下多くの取締役が辞任した。今回の騒動、痛み分けの感は否めないところがあります。

まず、民間サイドからの高報酬の要求ですが、95%が政府の出資(つまり自動的にJICにお金はついてしまう)ですから、幹部はファンドビジネスで一番つらい投資家からの資金調達の労をとってないわけで、まずそこが弱点となります。経産省としては、この一点だけでも、最初の段階で高額報酬は難しいと言えたはずです。(社長はdebtの世界の方だったわけで、VC投資のトラックレコードはお持ちでないはずなので、民間から資金調達しようにもなかなか難しかったはずです。)

それから、報酬が「高額」と言われていますが、グローバルなベンチャーキャピタルの世界では極めて中途半端な金額で、あれがそのまま認められていたとしても、良い人材を取れていたかどうかは結構疑問。なので、人材が乏しい中、2000億円投資してしまって失敗するという最悪の事態を免れたという意味では、怪我の功名の可能性は高いかと。

経産省サイドは、あのレベルの「高額」さであれば、政治的に通るだろうと当初は思っていた節がありますよね。ですが、またしても、日本の社会規範では、あの「高額」さでも受け入れられないという政治的判断に従わざるを得なくなりました。

本記事のなかでも私から提案させてもらっていますが、国の資金はあくまで民間資金の呼び水効果に役割を限定させるべきで、民間と国の両方からの調達を義務付けるイスラエル形の「ハイブリット・ファンド」しか成功の可能性を高める策はないように思います。イスラエルの実例では、わずか$100 mllion (約100億円)の国の資金で、イスラエルにVCセクターを生み出しました。2000億円のわずか1/20です。。「ハイブリット・ファンド」については、またもう少し詳しく書く機会を設けたいと思っています。(了)


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