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新刊『自己紹介2.0』の本文一部を発売前に公開します。

自己紹介研究をしてきた成果をまとめました著作『自己紹介2.0』(横石崇・著)がKADOKAWAより2019年5月24日(金)に発売となります。テーマは、新時代で活躍する人のための「自己紹介」です。

働き方や仕事観に変化が求められる現代で、私は、すべての仕事における原点ともいうべき「自己紹介」にも変革が必要でないかと考えてきました。
そしてこのたび、その研究を続けてきた成果や仮説が、1冊の書籍として実を結びました。

今回、内容の一部を日経Comemo(note)上をご覧のみなさまに公開します。もしご共感をいただけましたら、下記のリンクからぜひお買い求めください。

はじめに


「知らない相手の前だと、緊張して頭が真っ白になる」

「言葉の引き出しが少なくて、何を話して良いか分からない」

「自分のやっていることを、人にうまく伝えられない」

「新しい出会いから、次の仕事につなげられない」

自己紹介にまつわる数々の悩みや葛藤。
あなたは自己紹介をするのは得意でしょうか。

私は、ある時点までは自己紹介がとても苦手でした。

どのくらい苦手かというと、自己紹介するのがイヤなので、集まりがあっても自分だけ頃合いを見計らい、遅れて参加するのがたびたびでしたし、周囲にも「話しかけないでほしい」オーラを体中から放ち、できる限り人との接触を避ける日々でした。振り返ってみると、自分のことを話すのが不得意で、何をやっても自分に自信の持てない内気な人間だったと思います。

そんなある日の午後、ある人とファミレスでコーヒーを飲んでいたら、たまたま自己紹介の話題になったので、自分の苦手意識を告白しました。すると、その人はこう言いました。

 自己紹介は、自分を紹介しちゃいけない
 自己紹介は、未来を紹介するものだ

頭をゴチンと殴られたような感覚でした。
私はその時まで、自己紹介とは〝自分自身を伝えなきゃいけない〟〝自分を語らないといけない〟と疑いもなく思い込んでいたからです。

それ以来、自己紹介の研究に没頭し、試行錯誤を積み重ね、実践に取り入れていくうちに、たどり着いた1つの境地があります。

本書ではそのエッセンスを一冊に凝縮しています。そして、冗談みたいな話なのですが、この方法を取り入れたことで、私の人生の歯車は、突然グルグルと勢いよく回り始めたのです。

例えば、新宿の小さな飲み屋さんで意気投合した年配の方が、たまたま上場企業の部長さんで、翌週には仕事を依頼していただいたり。
例えば、参加費無料のワークショップでたまたま同じテーブルになった方と親しくなって、発注額が桁違いのお仕事(信じられないぐらいの!)をいただいたり。

例えば、首相公邸を利用したイベントをする、ということでたまたまプロデューサーとしてお誘いをいただいたり。

例えば、働き方に関するプロジェクトを立ち上げた矢先、たまたまそれが世界的権威のビジネスリーダーの目に留まって対談させていただくことになったり。

実にユニークなお付き合いから、仕事をご一緒させていただくようになったのです。どれもこれも自分がやりたいと懇願したり、強引につかみ取ってきたものではありません。偶然の出会いから、思いもよらない結果につながったのです。これは「自己紹介の持つ魔力」のおかげと言っても過言ではありません。

人と人が出会う〝はじまりのはじまり〟にあたる「自己紹介」。
たかが、自己紹介。されど、自己紹介。
自分を語るのではなく、未来を語ることで、仕事も人生も大きく変わっていくのです。

はじめまして。本書を手にとっていただき、ありがとうございます。
横石崇と申します。
自己紹介の研究をしていく中で、私の研究成果がたまたま編集者の目に留まり、この本を書く機会をいただきました。

私は20年近く企業のブランディングや組織開発、人材育成をはじめ、たくさんのプロジェクトプロデュースに携わっております。企業や大学を中心に年間100以上の講演やワークショップ・プログラムを実施する日々です。

また、「新しい働き方」というテーマで国内最大規模となる働き方の祭典「Tokyo Work Design Week」の発起人であり、オーガナイザーを務めています。こちらのイベントでは、東京に限らず、大阪や横浜、韓国など、6年間でのべ3万人にご参加いただき、20代、30代を中心にした方々が新しい働き方へシフトする、お手伝いをしてきました。

平成を振り返るNHKの特別番組では、若者の未来をつくる担い手としてもご紹介いただくなど、身に余る持ち上げ方をされましたが、それもこれも、自己紹介が切っても切り離せないぐらい自分のキャリアと密接につながっていると思っています。

本書では、時代の寵児と称されるような方たちの自己紹介を研究したり、自己紹介をイノベーションするためのセミナーやワークショップを通じて研鑽してきた、自己紹介にまつわる技術やフレームワーク、原理原則を余すことなくご紹介しています。

ただし、気をつけていただきたいのですが、自己紹介のハウツーは書かれていません。実績や事例もほとんど掲載されていません。なぜなら自己紹介に正解はありませんし、ハウツーやマニュアル、事例は、時間が経てばすぐに風化して価値を失ってしまうからです。

ですので本書では、「なぜ、私たちは自己紹介をしなければならないのか」「自己紹介では何を伝えるべきなのか」「自分は何者なのか」といった、根源的な問いに対して迫っています。トレーニングにたとえるならば、見せかけの筋肉を身につけるのではなく、身体の芯となる体幹から鍛え上げるイメージです。今までの自己紹介を1・0とするのなら、2・0へとアップデートすることで、何十年も長きにわたって使えるものになり、いかなる出会いの場面においてもお役に立てると信じています。

第1章では、いま私たちがいる時代について4つの視点から語ることで、自己紹介に変化が求められている理由をお伝えします。

第2章では、自己紹介の目的や進め方はどういったものなのかを共有しつつ、自己紹介の成否を分けるものは何かについてお話しします。

第3章では、自己紹介の最強と最弱の「型」を見てもらないながら、目指すべき理想の伝え方について一緒に考えていきます。

第4章では、自分の外側ばかりではなく内側にも迫っていきます。7つの道具のワークシートを使うことで、より自己紹介の解像度を上げる試みです。

最後の第5章では、ここで学んだ自己紹介術をもとに、これからどのようなキャリアパスを描いていけばいいのか。組織や業界、専門領域の壁を超えるための「越境」をテーマに、価値創造に向けた提言をしています。

なお、第4章以降は書き込んでいくワークシートがありますので、ぜひペンのご準備をお願いします。

また、本書は、予防医学博士の石川善樹さんと物語研究家の福井康介さんと一緒に行っている研究発表会の内容を下敷きにカスタマイズをしたものです。特に石川善樹さんとは何度もディスカッションを重ね、数々のアイデアや問いかけをいただきながら本書はできあがりました。

いま、あなたが生きている時代で生き残っていくには、今まで通りのやり方では通用しません。自己紹介という出会いの〝はじまりのはじまり〟にこそ、生き残るためのヒントが眠っています。

本書を読みながら、そして書き込みながら、「自己紹介2・0」を身につけることで、あなたにとって大いなる出会いが起きることを期待しています。

それでは、ページをめくってアップデートを始めましょう。


目 次


はじめに 001

第1章 自己紹介をアップデートする理由


●「組織の時代」から「個の時代」へ
個と個がつながることで、より豊かになる
理由1 組織構造が変わる
 ・「ゴッドファーザー型」(ピラミッド型)組織
 ・「オーシャンズ・イレブン型」(プロジェクト型)組織
 ・「役職」ではなく「役割」を伝えよ
理由2 企業価値が変わる
 ・「プロフィット」から「パーパス」へ
 ・自分だけの「パーパス」は何か
●理由3 働き方と学び方が変わる
 ・「マルチステージ」が当たり前になる
 ・「学び直し」が必要な時代
理由4 求められるスキルが変わる
 ・「越境」人材の待望論
 ・自立とは、依存先を増やすこと
 ・「個の時代」の信頼づくり

第2章「期待のマネジメント」が成否を決める


「いかに覚えてもらうか」は間違い
 ・自己紹介における最大のミッション
 ・名刺交換と自己紹介を混同しない
記憶されるより、期待されよ
 ・自己紹介は「期待」である
 ・「期待値」を自分でコントロールする
期待をマネジメントする[AIMASモデル
事例1 相手に心地よいノイズを与えよ
事例2 期待を生み出すギフトで心をつかめ
事例3 お願いごと]で人間関係を強化せよ

第3章 最強の自己紹介は「未来」を語ること


伝え方は下手でいい
 ・コンプレックスが個性になる
 ・人は「すぐ忘れる生き物」である
「最強の型」と「最弱の型」
 ・「現在」から語るか、「未来」から語るか
 ・未来を裏付けるための「過去」
 ・相手の中に余白をつくる「現在」
 ・人は主役になりたがる
「名詞」ではなく「動詞」で語る
 ・「名詞」を「動詞」に変換するには
I Believe that…】1 [未来]のつくりかた
 ・自分は何を信じているのか?
【I Make that…/I Change that…】2 [過去]のつくりかた
 ・ビフォーとアフターの差分で仕事の価値が決まる
【I Help that…】3 [現在]のつくりかた
 ・自己紹介の「ゴールデンサークル」理論


第4章 自分を知るための[7つの道具]


●自分自身を「棚卸し」する
 ・圧倒的に少ない、社会人での自己分析
 ・7つの道具を使い始める前に
●[7つの道具]① 苦手意識を探る
 自己分析シート

 ・自分の弱みを見極める
●[7つの道具]② 唯一無二のテーマをつくる
 氏名の意味づけ

 ・自分の名前からストーリーを編む
●[7つの道具]③ 自分らしさを見つける
 ブランドイメージ

 ・「自分らしさ」を言葉にする
●[7つの道具]④ 影響を受けた人は誰か
人生はドーナツ

 ・人生で大切なことは、人と自分の「関係」の中にある
●[7つの道具]⑤ 「回復の物語」を知る
キャリアのアルゴリズム

 ・レジリエンスを磨く
●[7つの道具]⑥ 発見されやすいラベルをつける
自分のハッシュタグ

 ・3つのタグがあれば、誰でも逸材になれる
 ・AI時代だからこそ、ハッシュタグ
●[7つの道具]⑦ 自分の仕事を一段高くする
仕事の意味を再定義

 ・[7つの道具]で自らを「分かる」

第5章 「個の越境」が人生を豊かにする

●キャリアパスをどう描くか?
 ・大越境時代
 ・境界線はどこにある?
 ・「個の越境」こそイノベーションのカギ
●摩擦が起こる出会いを求めよ
 ・「仲良しクラブ」では価値が生まれない
●何をやるのかではなく、誰とやるのか
 ・「越境」が人生をつくる
 ・あなたが期待されていることは何ですか

おわりに 
参考文献 

----------------------(ここまで書籍本文)


おかげさまで、発売前からたくさんの予約購入をいただきまして、Amazon新着ランキングでも無事にTOP3にランクインしております。

何名かの本好きのレビュアーさんにも読んでいただいたところ、思わぬ反響をもらいました。

「なるほど、と唸ったよ。自己紹介てところに働き方の変動が集約されていて、そこを入り口にして世の変化を語るというのはうまい設計だし、工夫がある」
「ただのハウツー本かと思ったら、全く違った。本質的な仕事論であり、チームワーク論であり、信頼論だ」
「1冊の中に、多様な価値観を繋ぎあわせようとする横石さんの立ち位置は、松岡正剛さんの「編集」が、より「人」に寄ったものではないかと感じます。信頼と信用、過去と未来、記憶と期待…そして人生はドーナツかもしれないという哲学的な示唆に思わず唸らされました」
「自己紹介2.0、めっちゃ良い本!ここにある自己紹介の未来の提示手法を社内で統一化していくことで、ビジョンの浸透にも繋がるはずですね。大企業こそ、自己紹介をアップデートすることで、己の見つめ直す必要があります」

そして、蔦屋書店(銀座)をはじめいくつかの書店さんでも「自己紹介2.0フェア」の開催が決まっています。

ひとりでも多くの方が、今までの紋切り型の自己紹介から、新しい時代に向けた自己紹介へアップデートをすることで、少しでもこれからの新しい出会いのお役に立てればと思います。



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&Co.代表取締役。国内最大規模の働き方の祭典「Tokyo Work Design Week」代表。鎌倉のコレクティブオフィス「北条SANCI」支配人。著書に「これからの僕らの働き方 」(早川書房)、「自己紹介2.0」(KADOKAWA)。法政大学キャリアデザイン学部兼任講師。

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