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料理芸術の鑑賞理論(ロジカルシンキング編)

前稿では、料理は芸術の対象となるのかどうかを検討し、料理は芸術の対象であることを検討してきた。もっとも、我々が料理を楽しむとき、我々は単に料理だけを楽しんでいるわけではない。そうではなく、レストランの雰囲気、ソムリエとの会話、店内の調度品などもまた楽しんでいる。斯様に料理を楽しむということは、様々な要素を楽しんでいるということになる。だとすると、その要素は何があり、どういう構造になっているかを明らかにしたい。そこで、その構造をロジカルシンキングで検討していく。

ロジカルシンキングの醍醐味は構造化にある

ロジカルシンキングとは何かと言われれば、一言で言うとピラミッド構造を作れるようになることだということができる。ピラミッド構造とは、上位概念を下位概念にMECEに分解し、上位概念と下位概念の因果関係を明確にすることだ。この構造は、三角形の裾広がりになるのでピラミッド構造と呼ばれているが、イッシューツリーと同義である。したがって、

1.上位概念をMECEに下位概念に分解すること

2.上位概念と下位概念の因果関係を明らかにすること

ができれば、ロジカルシンキングができるようになったと、ざっくりとだが、いうことができる。

料理芸術の構造化

では早速、料理芸術を構造化してみよう。芸術としての料理の対象は、

1.料理そのものと付帯物に分解できる。付帯物とは料理以外のレストランの建物だったり、テーブル、サービスなどだ。

2.付帯物は、ハードとソフトに分解できる。ハードとは、椅子の座り心地、テーブルの広さなどである。ソフトとは、言い換えるとサービス、接客だったりソムリエのワインの知識、提案力などである。

3.料理そのものは、コース料理であれば、八寸、椀物など、または前菜、メインなどに分解することができる。ラーメンであれば、麺、スープ、チャーシュー、その他のトッピングなどに分解できる。

こういった芸術としての対象を構成要素に分解することで、料理芸術を鑑賞することができるようになる。例えば、大阪北新地のMichelin一つ星の「鮨 ほしやま」では、美味しい寿司を楽しむことができるが、店主星山さんの動きが芸術鑑賞の対象の一つになる。

全く淀みのない無駄のない動きは、ある種芸術的な動きであり、美しさを感じる。寿司を楽しみながら、星山さんの握る手順を観ているだけで感動する。このような無駄のない動き、よどみのない動きは、ビジネスの世界でもABC分析、シックスシグマなどで研究されている対象であり、ビジネスパーソンにも大いに学ぶところがある。

ロジカルシンキングの知識を持つことで、また、料理の芸術性を鑑賞することで、料理の楽しみ方は大いに幅が広がるのである。

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牧田 幸裕 名古屋商科大学ビジネススクール 教授

名古屋商科大学ビジネススクール 教授。専門は、経営戦略、マーケティング、デジタルマーケティング、ラーメン。日経COMEMOキーオピニオンリーダー

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日経が推す各業界キーオピニオンリーダーたちの知見をシェアします。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 はじめての方へ→ https://bit.ly/2DZV0XM 【...
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