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新規事業とApple to Apple

以前オーストラリアに駐在していた際、同僚が「Apple to Apple」と言っていたのを聞いて、日本人コンサル(?)だけが使う和製英語じゃなかったんだとやや感動した記憶があります。
Apple to Appleとはざっくり言うと同じものの比較という意味で、会話では「アップルトゥアップルになってる?(同じ条件で比較してる?)」とか「それはアップルトゥオレンジじゃない?(違う条件で比較してない?)」みたいに使います。今日はそんな話です。

新規事業としてのM&A

記事によると、トランビは会員制のM&Aマーケットを立ち上げる予定とのことです。
今回注目したのは、立ち上げの背景として指摘されている、「大手企業を中心に新規事業の立ち上げを目的に、中堅・中小企業を買収する動きが活発になっており」という部分です。
これは私の肌感覚ともとても一致しています。
私の経歴はM&Aのアドバイザリー業務などを中心としたファイナンスバックグラウンドで、従来は新規事業立ち上げを依頼されるタイプではありませんでした。
しかし、ここのところ急激に新規事業の相談が増えており、これは自社立ち上げに限界を感じている企業が、M&Aなど様々なスキームを使った新規事業立ち上げ手法を求めているからと考えています。

Apple to Orange

ところで、新規事業への挑戦はどの会社も以前から行っていますが、その中で不思議な議論を目にすることが多々ありました。
「新規事業とM&Aのどちらを行うべきか」
一見それっぽいですが、考えてみるとおかしな比較です。
新規事業は文字通り、会社にとって新しい事業へ参入すること。M&Aは他社(の事業)を買収すること。
つまり、事業には既存事業と新規事業があり、それぞれにおいて自社立ち上げを行うかM&Aを行うかという判断になります。
なので新規事業とM&Aの比較はApple to Orangeです。

ではなぜこのようなことが行われてきたかといえば、セクショナリズム(≒縦割り組織の弊害)が大きいと考えます。
単純な話で、新規事業を担当する部門とM&Aを担当する部門が別なので、連携が取られずそれぞれりんご案とみかん案を考えます。
そしてその両案をマネジメントが比較するため、晴れてApple to Orangeが完成してしまいます。

新規事業もM&Aも

そんな中、冒頭の通り新規事業の立ち上げ手法としてM&Aを積極的に使うようになっているというのは、健全な動きだと思っています。
新規事業を行うという意思決定をした上で、自社立ち上げかM&Aを比較して、つまりApple to Appleの比較をしてM&Aを決断しているということになります。
今後もこの動きは加速していき、多くの企業にとって新規事業もM&Aも避けては通れないものになっていくと考えています。


最後に、日経新聞とnoteの共催で新規事業に関するイベントをやります。ぜひご覧ください!とても喜びます。

特別公開回(無料):新規事業を生み出す文化、組織 8月27日(火)

 新規事業を生み出す土台となる、文化、組織、制度がテーマです。講義、パネルディスカッション、グループワークを通してインプットとアウトプットを行います。
 ゲストとして小柳津林太郎さんに登壇いただきます。これまで新規事業に責任者として経験されてきたこと、独特な新規事業の仕組みを持っているサイバーエージェントの実態、現在チャレンジされていることなど突っ込んでお話伺います。


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