「期間」か、「規模」か。どちらの含意に着目すべきか。
ここに至るまでのユーロ高に対する(声明文を交えた)露骨なけん制、伸びないHICP、独仏伊の政治不安を踏まえれば、やはり「9月末にQE(いわゆるAPP)を撤収」というチョイスはかなり勇気が要るものです。「9月に半額にして半年延長」あたりが良い落としどころではないでしょうか。
今回、フォワードガイダンスにおいて拡大バイアスを削除したのは「規模」の拡大を否定しつつ、「期間」については延長の示唆を間接的に表現したかったという胸中があるのでしょう。「規模」拡大の削除に着目するのか、「期間」延長の温存に着目するのか。私は後者が重要と思います。
ECBウォッチにおいて「1%のユーロ高はHICPの▲0.05%ポイントの下押し」というのは知れた経験則であり、昨年来のユーロ高を踏まえれば、HICPは原油高を考慮してもかなりの不安材料となるはずです。プラス金利への復帰はドラギ総裁の後任に託されることになるはずです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27886630Y8A300C1FF2000/