未来をつくるのは利用者
IT戦略特命委員会など各種委員を務める某衆議院議員の方とディスカッションする機会がありました。その際に、行政側に対しての要望を聞かれ、いくつか話をしました。自分の中で、最優先事項のひとつとして、下記の話をしました。
ベンチャー支援の施策はいくつもあります。アクセラレータープログラムも、多すぎなくらい生まれています。しかし、ベンチャーが生み出したサービスを使う側に対する支援策がもっとあってもよいのではないでしょうか。
新しいサービスを使うこと。それはそれで勇気が必要な場合があります。従来のサービスとの置き換えだったり、これまで外部サービスを活用してこなかった領域での新規導入だったり、いずれにしても過去とは別の状態をつくることになります。大企業内であれば、その導入に対して否定的な意見が出ることもあるでしょう。社会的インパクトの大きなものであれば、そのインパクトゆえに使うことに躊躇することもあるでしょう。それまで使ってこなかったものを使うわけですから、そのコストをどこからもってくるのか、ということも問題になるでしょう。
しかし、サービスは使われなければ意味がなく、新しい時代が生まれることはありません。どれだけ意義のあるものを生み出したとしても、使われなければ意味がなく、世界を変えることなどできないのです。
未来をつくるためには、サービスを生み出す人と、サービスを使う人が必要です。そうしたサービスを使う人を支援する仕組みをつくることが、新たな世界を生み出し、それを目指すベンチャーが生き残るための健全な支援策になるのではないでしょうか。
ベンチャーが生み出したサービスを使う事業者は一定の税制優遇措置が適応されるなど、導入に関する心理的、手間的、金銭的コストのどこかひとつでも軽減できるような利用者への支援。こうしたものを、うまく仕組み化できないものでしょうか。
そんな提案をしてみました。作る人と使う人が、ともに未来を生み出す同士として歩み続けられる社会のために。