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『インターネット・トレンド』レポート2019年版。38億人が利用するインターネットの今

インターネットのトレンドに敏感な方にはお馴染みのレポート、有名ベンチャーキャピタリストであるメアリー・ミーカー氏による『インターネット・トレンド』レポートの2019年版が6月11日に公開されました。毎年恒例のレポートは今年は333ページ。大きな潮流を知る上でとても示唆に富むデータが満載です。気になる点を備忘録的に書きとどめてみます。

発表された場所はこちらも毎年恒例のテック系カンファレンスの 「CODE Conference」。動画もご覧いただけます。

レポートの中で気になったトピック・データ、グラフなどのスライドを以下ピックアップしてみました。

【1】インターネットの利用者がはじめて世界人口の半分を超え、38億人に。欧米地域の成長は鈍っているものの、これからの成長余地を考えるとインド、アフリカの可能性が大きいことを再認識。

【2】電子商取引(Eコマース)の成長(米国小売全体の15%)
  顧客獲得コストが上昇していることを受け、サービスの一部を無料で提供してい有料サービスを促す「フリーミアム」モデルの成功事例が紹介された(Spotify, Zoom, Google Suiteなど)

【3】デジタルメディアの滞在時間の増加(米国人は1日6.3時間)

常にオンライン状態にいる米国成人の比率は3年前と比較して5%増加の26%、4人に1人までに。18歳〜29歳の層においては39%という事態となってます。

【4】1日あたりのテレビ視聴時間をモバイル滞在時間が初めて超えるまでに(米国)

【5】依然影響力のあるFacebook。成長著しいYoutubeとInstagram(全世界)

【6】ポッドキャストの月間利用者は過去4年で2倍の7000万人に(米国)
Apple社のポッドキャストで最もダウンロードされたのはニューヨーク・タイムズが提供している人気番組「The Daily

【7】ニュース(コンテンツ)消費に関しては過去の検索履歴、閲覧履歴、誰をフォローしているか、アプリ上の反応などに基づくアルゴリズムによってより「キュレーション」が行われてしまい、偏った情報摂取や分断化などにつながっている懸念も示されています。

その他に話題になっていたのは画像、ショート動画、ゲーム、データ、クラウドサービス、オンデマンド経済(配送サービス)などが注目、という話で、ある程度想定内、という印象もありました。画像編集サービスとしては先日メアリー・ミーカー氏が率いるファンドが初めて出資を行ったキャンバ(Canva)のことも紹介されていました。

プライバシーや規制に関する状況、そして最後には中国に関するスライドも含まれていて、資料としては膨大な量になります。仕事としてインターネットに関わる方、これからの社会のあり方にも大きく関わるデータも多く含まれているので、ざっとだけでもご覧になると参考になる点が多く含まれていると思われます。

こうしたグローバルなトレンドを俯瞰することで気がついた点が一点ありました。インターネット利用者の残り半分はインド、アフリカから、単価の安いスマートフォンを持って登場するということです。フェイスブックが来週にも発表を予定している独自仮想通貨が最初にサービスを提供する地域がインドであることを考えると、圧倒的な潜在余地を持つインド人の財布、データをFacebookが狙っているのでは、ということが現実味を持って感じられます。

以下の記事を読むとそうした背景をより深く理解することができます。







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