見出し画像

社員の安全を管理する出張支援クラウドサービス

旅行市場の中でビジネス用途の出張はおよそ2割を占めている。海外出張の場合には航空チケットやホテル予約の手配を、出張者自身や総務部が行って会社が行っているケースが多いが、近頃では社内の事務コスト削減や出張者の安全対策から、専門の業者に任せたいというニーズも増えてきている。

今回の新型コロナウイルス感染のように、海外で非常事態が起きた時に、企業は渡航している社員の所在地や安否の確認に奔走しなくてはいけないが、出張人材の情報を人事部が一元管理していない会社も少なくない。そうした状況の中では、法人向けの海外赴任や海外出張に特化した管理サービスが求められる。

ボーダー株式会社が運営する「BORDER」は、企業の出張手配と管理を専門としたクラウドサービスで、契約企業専用の旅行代理店デスクをオンライン上に設置して、オペレーターのチャット対応によって、安全で安価な航空券や宿泊先の手配を代行している。

専用デスクでは、過去の出張内容をデータ化して、社内の出張規程も把握しているため、出張するエリアや出張者の役職によって、適切な航空会社、座席のグレード、宿泊先ホテルの選定、提案をすることができる。その他に、レンタカーや会議室の予約、ビザの取得手続きについても対応する。

また、出張者の安全管理も配慮されている。BORDERサイトで用意された各契約企業の管理画面上では、「現在の渡航者一覧」が表示され、現在はどの社員がどの地域に出張しているのかをマップ上で視覚的に確認して、危険地域への出張者に対しては、安全情報のメール配信や、安否確認の連絡までを行うことができるようになっている。

BORDERの出張手配・出張管理システムは、初期費用や月額基本料は無料で、1回あたりの出張手配に対して1,000円/名の手数料がかかる方式となっている。

2019年10月からは、国内出張にも対応して、国内航空券、国内新幹線、宿泊先、レンタカーの手配も代行する。最近では外国人旅行者の増加に伴い、2018年の客室稼働率はシティホテルが80.2%、ビジネスホテルが75.5%と高く、企業が出張予定日の宿泊先を確保するための負担も大きくなっていることから、国内出張手配のニーズ拡大も見込まれている。BORDERは2016年6月のサービス開始で、2019年10月の時点では320以上の法人組織が利用している。

近年では、格安航空券やホテル予約サイトの普及により安価な渡航ができるようになり、企業の社員1人あたり出張予算も下げられていく傾向にあるが、海外渡航には多様なリスクが存在ているのも事実。それを常に意識した上で、安全かつリーズナブルな出張手配ができるサービスが求められている。

■関連情報
オンライン予約を起点とした旅行会社のビジネスモデル
在宅エージェントを組織化した旅行会社のビジネスモデル
旅行好きが高じたトラベルハッキングの副業モデル

JNEWSはネット草創期の1996年から、海外・国内のビジネス事例を精力的に取材、会員向けレポート(JNEWS LETTER)として配信しています。また、JNEWS会員読者には、副業ビジネスの立ち上げ、独立起業までの相談サポートも行っています。詳細は公式サイトをご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?