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広報係がチームリーダーを徹底的に問い詰めて、チームの「自己紹介note」を書き直して気づいた大切なこと。【運営チーム活動日誌】

こんにちは、日経COMEMO運営チームの広報係です。先日からこちらのnoteで、日経COMEMOの【運営チーム活動日誌】を書かせていただいております。

【日経COMEMO(コメモ)】は日本経済新聞社によるnote上の投稿マガジンで、現在の運営チームのメンバーは6名。すべてのビジネスパーソンに「書けば、つながる」を実現する、というミッションを達成するために、投稿募集企画やイベント開催などの様々な施策を考えたり、日経COMEMOに投稿してくれる新しい時代のビジネスリーダーを厳選したりすることが、私たちの日々の仕事です。

先日、私は、日経COMEMOをはじめてご覧いただく方に向けた「自己紹介note」の書き直しをしました。実はこの書き直し作業の裏側には、かなりの紆余曲折と言いますか、ゴタゴタと言いますか……がありまして(笑)

それをとある方にお話したら「それ面白いから、活動日誌に書いて公開したほうが絶対いい!」と言われ、急遽書くことにしました。

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■「書けば、つながる」じゃなかったの???

前回の活動日誌にも書いた話ですが、私たちは今、運営チームによる情報発信の見直しと改善を行っています。その改善案の1つとして出てきたのが「自己紹介noteの書き直し」でした。

「もっとわかりやすくしたい!」リーダーからそう言われて、早速書き上げたものをチームに共有しました。それに対して戻ってきたフィードバックは「これだと、書く人だけに向けたメッセージになってしまっているから、そこはあまり強調せずに、書かなくても、読むだけでもいいよ、ということを伝えたいな」というものでした。

「ど・ゆ・こ・と???」

私の頭の中は大混乱に。私は昨年の秋からこのチームに加わっているメンバーで、2017年から運用が開始され始めたCOMEMOについては、その背景や経緯を知らないことも多いのです。

ここまで運営チームの仕事に関わってきた私は、完全にCOMEMOの最終目標は、すべてのビジネスパーソンに「書けば、つながる」を実現することだと思っていました。(だって、COMEMOマガジンのトップページには、「COMEMO」より大きな文字で「書けば、つながる」と書いてあるのですから。)それなのに、「書かなくていい」とはどういうことなんだろう………。

リーダーや他のメンバーから出てきた理由は、こちら。

立ち上げからずっと、「書くところまでいってほしい」にフォーカスしてメッセージを発信してきた。
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でも実際には「書く」というのはかなりハードルが高くて、そこまでいけるのはごく一部の人だけ。
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日経COMEMOを読んでくれるだけでも全然いい。
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今年に入ってから、COMEMOが次のステージに進めていないと感じ、書き手の満足度を上げることだけしてきた過去を振り返って反省した。閲覧者に対してまったく配慮していなかった。
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きちんと閲覧者を増やしていこうよという機運が高まり、それを自己紹介noteに反映させてほしい。

どうして「書かなくていい」ということになったのか、その背景と経緯はわかったものの、私としては腑に落ちませんでした。

「書けば、つながる」が目標なのに、「書かなくてもいい」を同時に伝える……私は、ある日の会議の後、チームにいるデスクに残ってもらって「何を軸にして書いたらいいのかわからなくなってしまった」と相談したりもしました。(会議後に1時間以上、もう1人のメンバーと、途中からはリーダーまで呼び出して、私の話に付き合っていただきました。本当に申し訳なかったのですが、とてもありがたかったです。)

ちなみに、チームの中で執筆作業を担当しているのがこのデスクと私です。(最近は、運営チームからの発信を見直そうということになり、リーダーも頑張って記事を書いています。)それで、記者経験も長い「書くことのプロ」からアドバイスがほしいと思いました。

■聞いても聞いても、「COMEMOが結局何をやりたいのか?」がわからない。

最終的には、ビジネスパーソンの皆さんに、ニュースに関する自分の意見を文章に書いて発信できるようになってほしい、でも、自己紹介noteではそのことは強調せず、書かなくてもいいよと伝えてほしい。

どんなに話を聞いてもわからない……。

書き直しを繰り返しても何かが違っている……。

自己紹介noteを書くことだけに時間を使っていられない……。

そこで、自分が「腑に落ちない」ことを、そのままリーダーに率直に伝えることにしました。そして、リーダーの迷惑も考えずに、かなりの長文をSlackに送りました。(ご興味のある方は読んでいただければと思いますが)スクロールしてどれだけ長かったかだけを見たら、読み飛ばしてください(笑)

私がこれまで思っていたのは、最初のnoteの通りのことです。

上のnoteに書いた通り、私は100%、COMEMOがとにかくやり遂げたいことは「書けばつながる」をすべてのビジネスパーソンができるようになることだと思い、この半年間くらい運営チームの仕事をしてきました。

私自身、COMEMOに関わるようになって「書く」ということに向き合うようになり、その価値を実感している一人だからです。

ニュースについて自分の考えをもち、それを文章にして発信して、人の目に晒してフィードバックを受ける。これは、かなり大変でエネルギーもいりますし簡単にはできないことですが、それによって得られる価値の大きさはとてつもなく大きいと感じています。

だからもし、COMEMOを知って、私と同じように「書いてつながる」ことに取り組む人がたった一人でも出たら、それはかなり価値のあることで、この先万が一COMEMOがなくなったとしても私は自分の仕事は成功だったと思うだろうと考えていました。

それが、先日の会議で「別に書かなくていい」「読むだけてもいい」と言われて、正直、一気にわからなくなってしまいました(笑)

COMEMOを読んでくれるだけでいいなら、noteをプラットフォームとして使う意味もないですし、日経の記事引用をしてもらう意味もなくなるし、何よりも、私たちがそもそも「どうせ、みんなそこまでいけない」と信じていないなら、「書けばつながる」を実現できるビジネスパーソンなど、出るはずがないと思いました。

本当に「書けばつながる」が、何ものにも変えられないCOMEMOの最終目標ならば、それだけは絶対に譲らず、徹底的にこだわる必要があるのではないかと、私は思います。

これまで、「書けばつながる」を掲げて書き手の満足度を上げる施策をいくらやってもユーザーが増えなかったからといって、「書けばつながる」を「書かなくてもいいよ、読むだけでいいよ」と譲るのではなく、「書けばつながる」の目標はそのままに、書き手となるユーザーを増やすためのあらゆる施策を考えて、片っぱしから手を打っていけばいいのではないでしょうか?

そのための試行錯誤や方針転換などは、「一貫した目標のもとで行われていれば」誰も方針をコロコロ変えているとは受け止めないと思います。

私はCOMEMOを伝える立場なので考えてしまうのですが、もしも自分だったら、「私たちは何がなんでもとにかく書けばつながるを実現したいんです!!!」と言っておきながら、同時に「でも書かなくてもいいよ、読むだけでもいいよ」と言う人の言葉を、信用しないと思います。

この人たちは、「別に、それほど書けばつながるを実現したいとは思っていないんだな」と判断してしまうと思います。

もし「書くところまでいってほしい」ということが、私たちの本当の思いなら、それを一貫して言い続けて、伝え続けるほうが、私はいいと思います。

「難しいと思う、ハードルが高いと思う、自分には無理だと思う……そんなことを今は感じてしまうかもしれないけど、絶対にできるようになるし、それに取り組むことはあなたの将来にとって確実に価値のあることだし、そのために必要なあらゆるサポートを私たちは用意しているから、やってほしい。」と伝えたほうがいいのではないかと思います。

私は途中から参加していて細かい経緯などをわかっていないので、あまり自分の考えを言うとCOMEMOが混乱するのではないかとこれまで思っていましたし、今でもどちらかと言うと、「COMEMOを理解したい」という気持ちのほうが強いです。

ただ、「私はこう思っている」ということだけは、お伝えしておいたほうがいいのかな、と思った次第です。。。

COMEMOの方針を間違っていると思っていませんし、あまり「書くところまでいってほしい」を強調せずに「読むだけでもいいんですよ」と発信していきたいということであれば、そのように、できるだけ上手に書いてみようと思います。。。

(※本物の原文を貼り付けました。)

その後、さらにしばらくやり取りを繰り返した後、完成したのがこちらの「自己紹介note」です。私自身が完全に腑に落ちた状態で、納得して書いたものです。

いろいろな思いがあって、公式のTwitterからこんなツイートもしてみました。

■自己紹介noteを書くことに、こんなに時間がかかってしまった一番の原因。

先に紹介した、迷惑極まりない長文を読んだリーダーは、その後すぐに「今はうまくいってないけど信念は曲げたくない」「数字に走ってしまい、閲覧者集めなきゃ!となっていた」とSlackにメッセージを送ってくれました。そして、COMEMOの最終目標は、やはり「書けば、つながる」で行こう!ということに決まりました。

そして、他にもリーダーから言われたのが、「言われないと気づかなかった」「ほんとに助かった」「その考え方、とても勉強になった」ということ。

私は、今回の自己紹介noteを書くことにこんなに時間がかかってしまった一番の原因は、COMEMOに明確な方針がなかったとか、リーダーが判断を間違ったとか、そんなことではないと思っています。

そもそもの一番の原因は、私が「話を聞くばかりで、自分の考えを言わなかったこと」です。それがすべての原因だったと思っています。先にも書いた通り、リーダーをはじめ、デスクやメンバーも、私の話に耳を傾けてくれる態勢が常にあるようなチームなのです。それなのに、私は自分がなぜ混乱したのか、その理由を一切伝えないまま自己紹介noteを書こうとしていました。

「相手の話をよく聞いて理解しよう」ということが間違っているとは思いませんが、チームの運営方針に関わるところに「自分が口を出すべきではないのではないか?」「そんなことをメンバーの自分には求められていないのではないか?」と考えていたことは、間違いだったと気づきました。

判断や決定を下すのは、その権限をもっている立場の人かもしれませんが、「私はこう思っています」ということだけは、最低限伝えておいたほうがいいのではないかと思います。その上で、判断を相手に委ねればいいのではないでしょうか。

今、チームで何かのミッションに望んでいる方たちにそのことを伝えたいと思って、今回の活動日誌を書きました。長くなってしまってすみません(笑)最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。


日経COMEMOには、私の話なんかよりも、何百倍も何千倍も参考になるチームマネジメントやコミュニケーションに関する投稿が集まっています。ぜひそちらもご覧ください。(←最後に広報係らしく、宣伝の仕事も忘れずに……笑)


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