#俺たちのニューノーマル 住環境選びと巣作りと

KATALOKooo の翠川です。4月に発動された緊急事態宣言が、全面的に解除された。5月の終わりとともに、明日からニューノーマルな日常が本格的に始まるのだろう。

私は、5年前に東京阿佐ヶ谷から、神奈川県三浦郡葉山町に移住した。職場は現在も東京 渋谷だが、自宅は海まで歩いて10分という環境。約2ヶ月間の自粛期間中、3人の子どもがいる中夫共々リモートワークをしてきたが、比較的楽しく過ごせた。

二人の母になり、子どものために環境を良くしたいと移住を検討する際に重要視したポイントが、自粛期間中私たち家族を救ってくれたポイントと同じだった。引越してから幾度となく何故引越ししたのかを聞かれてきたので、これを機に紹介したいと思う。

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引越し先選定の際、

①自然があること
②良いパン屋があること
③町自体にコミュニティがあること
④東京まで2時間以内に行けるところ

という条件で探した。

①は、子どもたちが小学生の夏休みを飽きずに過ごせる程度の自然環境を求めていた。これが、今回何より私たちを救ってくれたと思う。子供の足で10分歩けば海まで行ける。裏山を登れば、海を見ながら山を散策できる。散歩をしながら電話を繋いで打ち合わせしているときに、「ホーホケキョって聞こえました」「あ、すいません今外を歩いてまして」ということが起きる環境。自然が多い、すなわち、町より圧倒的に人が少ない。一人ひとりのスペースが大きい。散歩に出かけても、すれ違うことも少ない。家族全員で、気分転換がすぐできる環境だったのは本当にありがたかった。

②の良いパン屋。これは、今回の自粛期間私たち…というか、3食作る飯炊きババアである私にとって大きな救いだった。お昼ご飯を食べおわったそばから、「あー美味しかった。今日夜ご飯何?」と聞いてくる新小学一年生の娘に白目をむいていた私には、美味しいパンを買いに行き、少しずつ食べるのは束の間の癒しの時間だった。ちなみに、近所のブレドールは、20年地元に根付いたパン屋さんで、素材選びからそもそも信頼できるパン屋。早々からウィルス対策万全で販売をされていたし、贅沢なパンからリーズナブルなパンまで幅広く、本当に助けてもらった。葉山には、他にもいいパン屋さんがたくさんあり、2ヶ月間の気持ちを救ってくれた機会は計り知れない。さりげなく毎日を華やげてくれる、パン屋さんや花屋さんがあるというのはこういうときに強いと実感した。

③コミュニティについては、そもそもは「1軒と1軒の距離が数百メートル離れているのは何かあったときどうするんだろう」というような想像をしていたが、今回救われたのは、保育園の親子コミュニティだった。自粛期間中、「これから海へお散歩に行くよ」とLINEで連絡をもらい、海まで連れていき、オンラインmtg中一緒に海で遊ばせてもらうというようなことを何度もしてもらい、本当に助かった。時に、週末にすごい人数(一つの画面に数人ずつ写っている)でZoomを繋いで顔を見せ合うのも、子どもたちは喜んでいた。私が育った東京がたまたま距離的に蜜でもコミュニティ化しづらい環境だったので、その頃と比べると今は本当に恵まれているといえる。

④においては、毎日通うことを想定して設定した時間数だが、逗子から渋谷までは乗車時間は1時間程度で、家からオフィスまでのドアトゥドアで換算すると2時間弱というところ。この2ヶ月は東京には2回しか行かなかったので、電車に乗るまでの移動時間や駅から家までの運転時間などが省略できるのはやはり仕事時間は増える実感があった(一方で、オンラインmtgを詰め過ぎると最初の頃は余白の時間が全くなく呆然と消耗することもわかった。もう慣れた)。

…と、私の価値観において重要だったところをあげた。これは要するに、

①環境に関わること
②食に関わること
③人に関わること
④職場との距離

と言い換えられる。このことに関して、自分が思い描くとおりに暮らせていれば、ゆたかだと実感できるのだと思う。今後どこに住むかを選定するとき、自分の価値観だと上記の項目で何が重要になるか考えるヒントになれば。

ここで、ニューノーマルの提唱者のモハメド・エラリアン氏が書いていた中から抜粋して下記を紹介したい。

このショックに直面する前まで、政府や企業は費用対効果と効率性を追い求めてきたが、これからは「リスク回避」と、いわゆる「レジリエンス」(困難な状況に直面したときに発揮できる強靱さや回復力)の管理に重きをおくような戦略に転換せざるを得ないでしょう。そうなると、このコロナ・ショックから回復したときに私たちが目にする世界経済の光景は、まったく違ったものになるはずです。それが、「ニューノーマル2.0」と呼ぶ世界です。

この記事の中でも言われているように、レジリエンスの管理に重きを置くように転換されていくというのには、日々を過ごすベースに重きを置くというのも含まれると思う。

今回自粛期間に救われたというだけでなく、今後もそれぞれの家庭もしくは一人ひとりがこの部分に拡充されることは、アフターコロナでは自明だ。自粛期間から痛感した人も多いと思うし、今後重要になってくるだろう。

現に、業況短観では、不動産も建設も落ちていない。ホームセンターの混雑は話題になっていたし、家具屋や暮らしに関わる小売はオンラインが爆増しなんとかトントンだという。不景気に向けた漠然とした不安で、消費が萎むばかりでもない。巣作り本能を、みんなが思い出したというところだろうか。

一定の社会的距離がコロナ危機の収束後も長くニューノーマル(新常態)として定着すると、多くの人を集めることで不動産価値を上げようとした都市戦略に狂いが生じ、不動産価格にも影響が出てくる可能性がある。長年過密と言われながらも、再開発で集客力の向上を追い続けたメガシティー、東京のあり方自体が再検討を迫られるかもしれない。

再検討を迫られるかもしれない…というのも遠い未来の話ではなく、東京の必要ないのかもしれないと思っていた人が、確信に変わったのは事実だ。メガシティから離れて下がる分、土地自体の広さを確保できるという今までの図式だけでなく、家の内側を充実させ暮らしを整え、レジリエンスを高めていくような考え方にシフトすることが考えられる。ここに、小売やブランドにもヒントがあるのではないだろうか。ニューノーマルのトレンドに、敏感になっていきたい。

#俺たちのニューノーマル 、住環境について考察してみた。皆さんのニューノーマルも是非、聞かせてください。

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翠川裕美( KATALOKooo 代表 )
サポートいただけたいた方は仲間と思って日々精進しようと思います。とりあえず、ビールを買って乾杯させていただきます。