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「スキルの壁」は官民のタッグで壊せ

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

近年増加の一途をたどっていた転職者数が、コロナ下で10年ぶりに減少となりました。

国内の労働移動(総合2面きょうのことば)が停滞している。新型コロナウイルスの感染拡大で飲食業などの雇用は縮小。IT(情報技術)や金融など今も雇用吸収の余力がある業種はあるが、求められる知識や技術の違いもあり業種をまたいだ転職が進まない。職業教育への助成など、転職を後押しする政策が求められている。

上記の記事によると、転職者数は過去5年間で20%増加しており、10月の転職求人倍率をみると情報・通信が4.89倍、金融は1.75倍と採用意欲が旺盛な業種も目立ちます。しかし、今回はリーマンショックが直撃したときに製造や金融業から流通・サービスへ人員がシフトしたような動きは見られません。

その理由に「スキルの壁」があげられています。もちろん大きな理由の1つだと思いますが、「なんとなく難しそう。無理!」というような心理的なハードルも大きいのではないでしょうか? IT=プログラミングという印象が強いのかもしれません。

実際にIT業界で働いてみればわかりますが、実際にプログラミングやシステム構築・運営に関わるクリエイターは多くても社員の半数弱。内製であっても20-30%くらいのところが多いのではないでしょうか。営業やカスタマーサポート、その他事業運営をするために不可欠な職種は多岐にわたります。

最近では「ローコード/ノーコード」と呼ばれる技術により、専門的なプログラミングスキルを持たなくてもソフトやアプリを開発できるツールがあります。ひな形を元にブロックを組み合わせるようにやりたいことを実現できるのです。

日本マイクロソフトや国内IT大手各社が、IT部門以外のプログラミング未経験者でも業務ソフトを開発できる「デジタル兼務人材」の育成事業に取り組む。顧客企業向けの研修などを通じて2021年に国内で3万人超が育つ見通し。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進まない要因の一つとされるデジタル人材不足の解消を急ぐ。

IT人材が社内にいない企業は外部のベンダーに開発をお願いすることになりますが、往々にしてシステム会社は現場のワークフローをよく知らず、時間とコストをかけたわりには使いづらいシステムが出来上がってしまったということがあります。現場にとってみても、一体なにがデジタル化できるのか?ということを考えるすべを持ちません。

このギャップを解消しようと取り組んでいる役所があります。業務効率化のシステムは各職場が自分たちでつくる仕組みを整え、素早く使いやすい市民サービスにつなげようという試みです。

神戸市役所では多くの職場が普段からITの活用やテック企業との連携に前向きだ。背景には、2016年ごろから全庁あげて取り組んできたデジタルトランスフォーメーション(DX)の活動がある。

「DXにおいては、最適な解決策を職員自ら考えることが大切だ」。旗振り役を務めてきた情報化戦略部の森浩三部長(49)はこう強調する。森さんが進めたDXには2つの特徴がある。

1つは民間のIT人材を活動の中核に据えたことだ。17年に「ICT業務改革専門官(現デジタル化専門官)」というポストを新設した。
(筆者略)
第2に業務効率化のシステムは各職場が自分たちでつくる仕組みを導入した。最近は、難しいコードを書かなくても簡単なシステムを構築できる「ノーコード」や「ローコード」といったツールがある。市はソフトを提供するサイボウズや日本マイクロソフトと順次提携した。いわば一般の職員をシステムエンジニア(SE)に変える「職員総SE化計画」といえる。

特筆すべきことは、森部長も職員も元々ITとは無縁だったことでしょう。民間のIT人材の手引きと適切なツールを与えることで、自分たちでつくることができるようになりました。

経済産業省の調査によれば、2030年にはIT人材の不足は40~80万人にものぼると予測されています。冒頭の「スキルの壁」を乗り越えるために、職業訓練の機会や異業種への転換を推し進める政策や未経験者の受け入れに積極的な企業への助成なども積極的に行っていく必要があるでしょう。

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タイトル画像提供:ZARost / PIXTA(ピクスタ) with Canva

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