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TAXインセンティブでCGアニメーション企業が集まる都市バンクーバー:アニマ代表 笹原氏による現地からのレポート

CGプロダクションのトップランナーである株式会社アニマの代表である笹原さんへのインタビューシリーズです。過去記事は下記をご参照ください。

今回はCG業界の旬な都市「バンクーバー」について現地での感想をレポートして頂きました。


先日、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるバンクーバーを訪問してきました。CG業界では有名な話ですが、バンクーバーは映画のVFX制作やCGアニメーション制作が最も盛んな都市のひとつです。少し前まで制作現場はLAにありましたが、最近ではバンクーバーなどに移っています。
※会社機能はLAのまま、制作現場のみバンクーバーに移っているケースが多いです。

企業を惹き付けるTAXインセンティブの存在

この背景は、TAXインセンティブ(租税優遇措置)が大きな要因だと思います。ブリティッシュコロンビア州(BC州)とカナダ連邦政府のインセンティブから日本の企業がインセンティブを受けるとすると、以下の3つの団体を組み合わせると30%程度の控除を受けられる可能性があります。

・DAVE(British Columbia Digital Animation Visual Effects)
・CPTC(Canadian Film or Video Production Tax Credit Program)
・PSTC(Film or Video Production Services Tax Credit Program)

制作費が下がるとその分安く受注することができるので、仕事が集まりやすくなりますよね。

LAとバンクーバーのアーティストの違い

制度以外では日本人アーティストが多いことが印象的で、数年前に訪問したLAと比べると働く人たちの雰囲気の違いも感じました。

具体的な違いは、LAで働くアーティストの方々は「アメリカで成功して、そのまま居続けたい」という印象を感じる人が多かったです。アメリカはビザの取得がとても難しいと聞くので、余計にこのような印象を受けたのかもしれません。

一方、バンクーバーで働くアーティストは、バンクーバーを“働く場所のひとつ”として捉えている感じがしました。いい意味で肩に力が入ってないという印象です。

ワーキングホリデーが利用できることや、ビザの取得がしやすいことも影響していると思いますが、若い人も多く雰囲気がとても良いと感じました。(短期的な契約が多く、不安定な面もあるそうですが…)

TAXインセンティブ制度の是非

バンクーバーは業界で勢いのある都市のひとつになりました。その一方でTAXインセンティブには多額の税金が使われているので、財政面からいつまでTAXインセンティブが続くのか?という話題が常にでているそうです。

長期的な視点ではTAXインセンティブをあてにした経営方針は危険ですので、このインセンティブを受けている間にスタジオ自体が努力する必要があると考えられます。

CGアニメーション業界の底上げをするにはよい起爆剤だと思いますので、日本でもTAXインセンティブ制度の導入が検討されることを期待しています。

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日本経済新聞社デジタル事業部の井木康文です。アニメビジネス・野球・新日本プロレス・eスポーツビジネスなどのイベント企画がメインの業務です。
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