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グレートリセットの時代に求められるものとは?

世界的に新型コロナウイルスの感染が広がるなか、世界経済フォーラム(WEF)は6月3日、2021年1月に開催する年次総会(ダボス会議)のテーマを「グレート・リセット」にすると発表しました。

WEFを創設したクラウス・シュワブ会長は「グレート・リセット」とは何を意味するのかという問いに対して以下のように答えています。

「世界の社会経済システムを考え直さないといけない。第2次世界大戦後から続くシステムは異なる立場のひとを包み込めず、環境破壊も引き起こしている。持続性に乏しく、もはや時代遅れとなった。人々の幸福を中心とした経済に考え直すべきだ」
「コロナ禍による失業などの経済危機を乗り越えようと(各国政府は)債務を増やしている。これはいずれ未来の世代が払うツケであって、ある意味では彼らへの裏切り行為だ。次の世代への責任を重視した社会を模索し、弱者を支える世界を構築する必要がある。気候変動など危機への対応力や、新技術の発展に向けた規制の枠組みも考えないといけない」

実はコロナ危機以前の今年1月のダボス会議で、既に資本主義の再定義が主題になっていました。

株主への利益を最優先する従来のやり方は、格差の拡大や環境問題という副作用を生んでいるという問題意識から、経営者に従業員や社会、環境にも配慮した「ステークホルダー(利害関係者)資本主義」になる必要があると。


そんな中、世界的な新型コロナウィルスの危機がおきたのです。

この危機の中で、一層変革が世界的に求められ、社会経済の仕組みを強制ストップして再スタートを切る「グレート・リセット」を起こす必要があるということであり、そしてそれは実際に起こりかけています。

人々の幸福を中心とした経済への変化。本当に大事なものをみんなで大切にできる世界への変化。

そして考えなくてはいけないことは、私たちが今まさに未来の世代が払うツケを更に増やしているという事実。

「グレート・リセット」の時代ということで、自分にとって何がリセットされるのか、何をリセットしなくてはいけないのか、ということも気になりますが、今、SDGsなどで未来の世代に可能性をもたらすために私たちの生活自体の持続可能性を高めていくことが求められている中で、そもそも”リセット”するとはどういうことかを考えてみたいと思います。

リセットすることは、何かが良くなかったからしかたなくするという側面もあるかと思いますが、そういう見方だけでなく、そもそもリセットすること自体が自然の循環の中で非常に重要なことであり、あらかじめ日常や仕組みの中で組み込まれていることでもあります。

これが正しい、あれは間違っているという二元論的な発想の元、正しいと思われる方向性だけをみて邁進するのではなく、そもそも善悪を分けず、同時に存在していることを受け入れ、定期的にリセットすることを土台とすること。これこそが、持続可能な世界を実現するにあたって重要な観点ではないでしょうか。

日本の文化には持続的で長続きしているのものが多いと言われます。その背景には、神道や仏教の中にあるリセット文化が大きいと感じています。

伊勢神宮では1300年間、20年に一度、社殿や神宝類、ご装束類などを全てを一新して大御神のお遷りを仰ぐ式年遷宮がおこなわれています。

また、神社で毎年6月末と12月末に行われる神事、「大祓(おおはらえ)」は、半年に一度の心身の大掃除であり、それまでの半年間にたまってしまった「罪穢れ」を祓い清めリセットして、次の半年間を元気に過ごせるように祈願する行事です。

禅宗の教えの中にも、お経を読んだり、仏教のなんたるかを学ぶよりも掃除が大事だとされている「一掃除二信心」という教えがあります。
この日々の中で繰り返し行う”掃除”という行為は、場を綺麗にするだけでなく、心身をリセットすることにも繋がります。

禅宗の中で信仰よりも大事なこととしてあげられている、この掃除を日々実践することは、リセット精神を養う上で重要な観点に思えます。


グローバル化とテクノロジーの進化により変化のスピードと複雑性がますます高まる現在。そして、インターネットやSNS、メディアにより、様々な情報が氾濫し、思い込みや固定観念が強化される度合いが高まりやすい今の社会環境。そうであるが故に私たちはストレスを感じたり、不安や悩みが深まる中で、社会の中では対立や分断が生じやすくなっています。

そういった中では、これが正しいという固定化された現実があるという思いこみを捨て、この世の万物は常に変化しているという仏教の教えー諸行無常の世界観ーを受け入れ、固定化されがちな自分自身の認識を常にリセットしていくことを日常に取り入れていくことが大事なのではないでしょうか。

自分自身の認識をリセットさせることに、マインドフルネスは大いに役立つと言われます。認識と共に気持ちをリセットさせるために瞑想を取り入れ、実際の掃除だけでなく、心の掃除(リセット)の習慣を日常に取り入れることはますます重要になってくると思います。

「グレート・リセット」の時代に求められることは、まずは固定化されがちな自分の認識をリセットする習慣を日常の中で実践していくことではないでしょうか。


余談:この記事を書いているのがちょうど2020年6月30日の大祓(夏越の祓)。新型コロナウイルス により世界に大きな変化があったこれまでの半年間を振り返りつつ、明日から心機一転(リセット)となり新たな可能性が生まれることをを願いつつ書かせて頂きました。。








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禅とマインドフルネスのフォーラム ZEN2.0の共同創設者。企業の組織開発、人材育成とマインドフルネスを広げる活動を展開。一般社団法人 21世紀学び研究所 理事。

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