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令和に活かしたい!平成億万長者ランキングに示唆が多い理由~経済ニュースの特徴と合わせて~

みなさま、こんにちは!
エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。天皇陛下最後のお言葉(ネット中継)から、時代の節目を一気に感じておりました。今回は、新刊「30年の経済ニュースが1時間で学べる」で88の令和時代に活かしたい汎用性が高いだろう平成30年間の経済ニュースから3つを挙げていきます!令和時代にどう活かしたいかの私なりの見解も。

*この30年の経済ニュースの特徴とは?

  明日から5月、令和の時代に入ります。 この30年の経済ニュースを私なりに総括すると、ずばり「デジタル」と「グローバリゼーション」は不可逆であることを痛感させた時代だと考えています。

*「デジタル」の流れが不可逆と考える理由

 まず、「デジタル」を不可逆だと思う理由は2つあります。一つ目は、EUなどがデジタルプラットフォーマー規制を検討しています。それはデータ独占のよる社会への影響、デジタル化による雇用、それに伴う国民感情への配慮があると思います。しかし、キャッシュレス、EC、信用スコアリング、AIと…私たちは様々なデジタル分野の恩恵を受けています。一度なれた不便な生活を手放してまで、この規制が喜ばれるのか…。利便性という短期的にすぐわかる利益と、長期的にしか感じにくい規制による利益では、国民感情的には利便性を多くの人が選択すると推測します。   

 二つ目の理由は、Olson(2009)から着想を得た、デジタルプラットフォーマーと政治の結びつきです。Olson(2009)では、政治献金が多額な一部の業界利益が、国全体の利益に優先される事例を挙げています。現在、米国では一国のGDPを超える時価総額を持つデジタルプラットフォーマーが、政治献金により米政治と密接になりすぎているとの批判もあるぐらいです。金融危機のような国民全体にわかりやすい悪影響が出ない限り、政治が規制に積極的になるのは難しいように感じます。では、デジタルプラットフォーマーが本拠地としない日本やEUでは規制が進むのか?これも「否」と想定しています。仮に、アメリカでデジタルプラットフォーマーに規制が小さく、米国民へのそれによる利益が規制した場合よりも大きい利益を享受しているとします。その場合、規制をかけたがために、日本やEU国民は情報社会の中で不利益を被る可能性も…。やはり不可逆なように感じています。

*「グローバリゼーション」が不可逆と考える理由

 トランプ大統領の登場で各国が内向き政策になると懸念されていました。しかし、19年4月時点で米中の株価は年初来高値更新 、米中貿易摩擦もお互いへの悪影響が大きいとばかりに落ち着きつつあります。グローバリゼーションによるメリットを手放してまで経済失速は受け入れられない、グローバル化の流れはやはり不可逆というのを痛感した方は少なくないのではないでしょうか。これは私が書くまでもなく、戦前からの歴史や経済学研究を見ても、自明だと思います。平成は、このように国民感情に配慮しつつも、やはり、この2つは不可逆と痛感させた時代のように思います。


*で、まずは抑えたい経済ニュースは?

 ずばり、「日本のバブル崩壊」です。またそれに伴う世界の億万長者の変化にも注目です。バブ ル 期 の 終 わ り、 消 費 者 マ イ ン ド は ま だ 前 向 き で し た。 し か し、1997 ~ 98年には大手金融機関が相次いで破綻。こうした状況の下で、 国民にはデフレマインドが広がっていきました。象徴的な出来事としてマクドナルドは1998年に実験的にハンバーガーを従来の 半額の65円で販売し、大きく売上げを伸ばしました。その後の値下げ競争の一因と言われています。

 そして、あまり知られていませんが、バブル崩壊で日本の不動産と金融市場の停滞で、世界の億万長者もガラリと変わりました。当時は不動産や有形資産ありきの時代。しかし、今やデジタルが主流の時代です。そんな神話から、抜け出せないことも現在の世界の長者番付に日本人経営者が少ないことも影響しているかもしれません。また、これはただのランキングではありません。平成初期から如何に産業が変化したかの指標の一つとも思います。また、億万長者1位の資産額も桁が違っています。これは世界のGDP成長率やインフレ率云々を考慮しても説明がなかなかできない現象ではないでしょうか。デジタル産業が台頭することで再分配や政府の在り方にも変化が必要かもですね。

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崔真淑(さいますみ)




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