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経済と感染抑止の難しいバランス 自己責任に委ねて大丈夫なのか

この三連休、東京で桜が見頃となった。例年いってる花見はテレビ会議でのバーチャル開催となってしまい、予定していた旅行は中止して近場を散歩したり、家のバルコニーでまったりしている。幸い近くに染井吉野が植っているので、ちょっとした花見気分になれないこともない。

ネットを眺めていると世界中が大変なことになっていて、欧州ではトイレットペーパーやマスクに限らずスーパーの棚が空っぽになったとか、米国でも外出禁止だとか、この数週間で危機は世界に広がったことを実感している。とうとう米国に対しても渡航中止を促すようになり、週明け対応に追われる人も多いのではないか。

翻って日本は今のところ感染を低く抑えこめているように見える。自粛続きに飽きや疲れが出ているようで、この三連休でオリンピックの聖火リレーに5万人が集まったとか、代々木公園でシートを広げて花見している様子がネットで流れ、今日も埼玉でK-1の試合に多くの人が集まったといったニュースを見ると不安にさせられる。もしこれから爆発的に新型コロナの感染が広がったら、後悔するような行動を取ってはいないだろうか。

休校期間中にスペイン旅行に行った10代の女性が結果を待たず帰宅し、後から陽性と分かったと報じられた。ひどい話ではある。休校が決まって家族で欧州を旅行したのだとしたら休校の趣旨を履き違えている。とはいえ正直よく分からないのは、検疫で足止めを食ったとして航空チケットや宿泊の手配はどうなるのかという点だ。PCR検査には何時間もかかるが、その間どこで待つのだろうか?結果が翌日になる場合など、ホテルに泊まったらそこで感染が拡大するかも知れない。陽性と分かって足止めを食った場合の滞在費用は誰が負担するのだろうか?ニュースを読んだだけでは分からないが、要請を振り切ってでも帰宅した方が合理的な事情があったのかも知れない。これからも世界中から感染リスクのある日本在住者が続々と帰国してくるが、隔離のために改善すべき点がないか再点検が必要だ。

今のところ国は自治体に対策を委ね、自治体は個々の住民の良識に委ねている。20日に大阪府知事が公開した、国が大阪府と兵庫県に提案されたとする文書を見ても、専門家作成資料とだけ書かれており、厚生労働省としての方針ではない体裁が取られている。大阪・兵庫よりも感染者数の多い東京・愛知に対して似たような提案が行われたかについて私たちは知る術もない。

たまたま年度末の本予算成立前で身動きが取りづらい中で、それが現実的な進め方だったのだろうか。後から振り返って、あの時どうしてこうしてしまったのか、他にもっとできなかったか?考え直す日が来るかも知れない。

この四半世紀ちかく日本では自己責任という言葉が広く使われるようになった。確かに干渉するということは責任を取ることでもある。責任を取れない以上は干渉しないという距離感は、おおむね世間で受け入れられてきた。

しかしながら爆発的に感染が広がって医療や物流が崩壊した場合には、誰もが無関係ではいられない。まずは感染抑止のために必要な行動に対してしっかりとした補償を約束するとともに、その上で厳しく対応を求めていく必要があるのではないか。

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マイクロソフト、ヤフーなどを経てJapan Digital Design CTO。内閣官房 政府CIO補佐官、東京都 DXフェロー、福岡市 政策アドバイザー(ICT)、OpenIDファウンデーション・ジャパン代表理事、ISO/TC307 国内委員会 委員長などを務める。