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フィジカルの復権。めちゃくちゃ久しぶりに出張したアーティストの現場再発見の記録

京都市京セラ美術館での展覧会、「KYOTO STEAM 2020」が先日オープンしました……!京都を代表する素晴らしい美術館での展示の機会をいただき、本当に嬉しく思っております。

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実はこちら、3月にいちど設営&内覧会も終えてオープンまであと一歩の段階で公開中止になった展覧会だったため、ついに一般のお客様にお見せできたことに感激しております。

↑当時の無念をつづった記事

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今回、1週間ほど設営のために京都に滞在して作業をしていたのですが、どこかに出張するのは気付けば実に3月ぶり。
久々の遠出と現場仕事をしてみて色々と感じることがあったので、記録させていただきます。

肉体疲労の体感値が2倍、しかしフィジカルな仕事をしていると現実世界の自分に自信が持てる

今回、3月に京都市京セラ美術館で展示設営を行い、それとほぼ同じ内容を中心に10月に再設営したはずなのですが、今回の肉体疲労、パない。えぐい。

めちゃくちゃタフな関西の施工業者さん(つまり現場のプロ)と一緒にお仕事するなかで、自分の体力の減退に驚く日々でした。1週間の現地滞在を終えて東京に戻った時、もう身体がボロボロ。今年はリモートワークで楽してる間に、えらい体力が落ちたのだと痛感……。

ただ、この肉体的にハードな日々を過ごし、現場で多くの人に揉まれるうちに、「仮死状態になっていたフィジカルワールドの自分が活性化してくる」感覚がありました。
これは自分だけかもしれないのですが、リモートワーク生活をずっとやってると、コンビニで買い物する時とかに店員さんの目も見れなくなってきたりしませんか?なんかフィジカルで人と対面することに苦手意識が生まれてくるというか……。

今回久々にビシバシと現実世界で人と関わり自分の肉体を酷使しながら頑張るうちに、人と対面で会うことが苦にならなくなってきて、「ああ、社会復帰した引きこもりってこんな感じなのかもな」と思いました。

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毎日見ていた美術館の夕暮れ
(設営でゲロ疲れしてても建物が美しすぎて癒やされてました)

わざわざ人と会うことの意味

京都では、いくつか現地企業の方と対面での打ち合わせの予定がありました。リモートワークやオンライン会議に慣れるうちに「現地でバタバタなのにちょっと面倒だな、なんでわざわざ対面で会う必要があるんだろう」というマインドになっていたのですが、実際渋々ながら打ち合わせに向かってみると「会ってよかった!」と思うことが大半でした。
やはりノンバーバル情報やその人が醸し出す雰囲気からわかる信頼感みたいなものはあり、人となりが一発でわかったりするので、ずっと遠隔で進めているビジネスも一度は機会をみて対面であうタイミングをいれていくと、相互信頼に繋がりやすいなと改めて実感しました。テキストや動画のやり取りだけでは不足していた情報が補完され、一気に疑念が晴れる感がある。

そういえば海外のフェスティバルとかにわざわざ行くメリットはこれだったよなと……。いろんな国のキュレーターといっぺんに対面で会うことができるので、一瞬でその人の人間性が理解でき、圧倒的にその後もリモートでのやり取りがしやすくなるメリットがありました。リモートワークの時代においても、「会える人には一瞬だけでも対面で会っておく」ということは相互信頼を得て仕事をスムーズにする上で大事かも。

リアルな現場はやはり偶発性が生まれやすい

今回の出張ではたくさんの異業種の方と出会うことができ、さらには「たまたま」入ったお店で「たまたま」超大御所のアーティストの方と隣り合わせ色々お話できたりと嬉しいサプライズが多く、物理的な移動が生み出す偶発性の面白さを実感する日々でした(そもそもあまりオンラインに生息していない人もいるし)。

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昔からファンだった超大御所アーティストのヤノベケンジさんと、海鮮丼屋でたまたま隣り合わせた図。さらにこの写真を撮ってくれた方が『Lifetime Respect』の三木道三さんの弟さんだったことが後から発覚……どんな偶然や……

東浩紀さんの「弱いつながり」という本が大好なんですが、こちらも「身体を物理的に移動させて生まれる偶発性により、新たな興味や新たな検索ワードを見つけることができる」ということが提唱されていました。

しかし「繋がりたくない人に繋がってしまう」「話しかけられてしまう」リスクはやはりオンラインワールドより高いので、そちらについては最近、別途執筆したCOMEMO記事をご参考まで……。

リアルにお客さんの反応が見れたことの感動

コロナ禍でもなんだかんだでトークイベント等はオンラインで実施できていたのですが、お客さんの生の反応を見れないし、関係者と打ち上げとかで話すこともできずZoomをオフして突然ブツっと現実に戻る感じになってしまうので、どこか虚しさが生まれることも。エゴサーチで感想を見たりはできるんですが、まあ所詮はテキスト情報なので実感が薄かったりします。

そんな中、今回ようやく自分が設置した展示空間でお客さんが楽しそうにしてくれているのを直接目の当たりにして、すごく満たされた気持ちになりました。そうか、これが観たいからそもそもこの仕事してたんだよな、と原点に戻れた気持ち。

様々なものがリモート化する流れは、人の流れを流動化し、物理空間の制約から解放されることで生き方を自由にするムーブメントで非常に良いことだと思っていますが、ただフィジカルな現場ならではの得られるもの、感じられることもあるんだなと強く実感した出張でした。

フィジカル&リモートをうまく使い分けつつ、今後の世界を生き抜いていこうと思います。
展示もお待ちしております!!!!!

美術手帖さんによる特集記事はこちら。出展作家としてインタビューしていただきました。

なお、現在の京都は人も多すぎず非常に過ごしやすい感じ&紅葉もきれいです。また、GoToトラベルキャンペーンのお得さが正直えげつないので、感染症対策には気をつけつつこの機会に秋の京都に足を運んでみるのもいいかも(積極的に来て!とはお誘いしにくい状況ですが……)。

エースホテルも大人気ですね。

展覧会情報

KYOTO STEAM 2020 国際アートコンペティション スタートアップ展
会期:2020年10月31日~12月6日
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
開館時間:10:00~18:00 
休館日:月(祝日は開館)
料金:一般1000円 / 中学生以下無料
主催:KYOTO STEAM―世界文化交流祭―実行委員会
公式ウェブサイト:https://kyoto-steam.com/


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市原えつこ(アーティスト)
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