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見上げてごらん。日本中の夜空に復活の花が咲うよ。

5/30の日経にこんな記事がありました。

「空を見上げて、一瞬でも明るい気持ちになってほしい」。創業100年近い老舗の花火製造会社「村瀬煙火」(岐阜市)は28日夜、長良川河川敷で約25発の花火を打ち上げた。客が集まらないように事前の告知はしておらず、時間は3~4分のみ。夏の花火大会に向けて作りためていた在庫を使った。

とても素敵な行動だと思います。

僕も以下のようなツイートをしました。

そんな中、5/31のニュースでこんなものが! 

そうです。6月頭に日本中の夜空に復活の花が咲き誇ります!報道によっては6/1に実施というのもありました。フライングで5/31に実施したところもあるようです。いずれにせよ今週、日本のどこかで花火が続々とあがるでしょう。

 コロナ禍のせいで、全国の花火大会は続々中止となっています。東京の隅田川花火大会も中止になりました。個人的には、7月のイベントの中止を決定するのは拙速だと考えていますが、100万人を集客する花火イベントですから仕方がないのでしょう。でも、僕は今からでも復活開催があってもいいと思っています。

そもそも隅田川花火大会は、1733年、将軍吉宗の享保年間の時代、隅田川の川開きに際して、飢饉や疫病によって亡くなった人たちを弔う意味で打ち上げ花火があげられたことによります。当時は、花火大会という特定のイベントがあったわけではなく、両国橋を中心として、上流が玉屋、下流が鍵屋という花火師の領分で、客の注文に応じていつでも花火をあげることができたといわれます。

浮世絵(橋本貞秀作「東都両国ばし夏景色」)には、後年定例となった花火大会の様子が描かれています。かなり大袈裟に盛っているとは思いますが、通勤電車のラッシュ以上の混雑ぶりです。

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ところで、先日のブルーインパルスの飛行をご覧になった方もたくさんいることでしょう。

僕も見ました。青空にまっすぐな飛行機雲。それも良かったですが、変態な僕は、空を見上げ、スマホで写真を撮る大勢の人々の顔を見ていました。みんな目が笑ってた(口元はマスクなのでわかりませんが多分開いていたと思う)。医療関係者だけじゃなく、あれを目撃した全員に元気をくれたと思います。

あれを税金の無駄遣いだと文句を言う人もいますが、随分と料簡の狭い人なんだなと思います。さらには、こんなことまで言う人もいました。

むしろ僕はこう思います。

戦闘機を見て、みんなが恐れおののき避難するような国は不幸だ。
戦闘機を見て、みんなが笑顔になれる国に生まれて本当に良かったと思います。

そして何より、ブルーインパルス(T-4)は戦闘機ではなく練習機です。お間違いのないように。

花火だって火薬です。使い方を違えれば人を殺傷する武器にもなります。自動車だって包丁だって同じです。大事なのは、「道具が何か」に支配される思考ではなく、「私たちはその道具をどう使うか」という思考だと思います。

もっと言えば「何をしちゃいけない」「何をしたら危ない」という思考ではなく、「では、危なくならないようにどうすればいいか」という思考です。

コロナへの恐怖のあまり、「しちゃいけない」思考に支配されている人が多いように感じます。「○○しちゃダメ」なんてことをいくら言ったところで何の役にも立たんということは、子育てを経験した人はわかるはず。

過去の歴史においても禁止令は数々だされました。江戸時代などはそれこそ禁止令のオンパレードです。屋台禁止令、離婚禁止令、混浴禁止令、贅沢禁止令…。が、そんなものことごとく守られませんでした。お伽話でも、鶴の恩返しや浦島太郎にあるように、「見てはいけません」という「見るなの禁」の話がたくさん出てきますが、そのことごとくが「見る」のです。むしろ、禁止されたらそれをやるのが人間なんです。禁止がいかに滑稽なものかがわかるでしょう。


「何もしないという無行動人間」より「何かをしようともがく・あがく人間」を僕は尊敬します。そして、「何かをしようとしている人間をただ単に批判・否定するだけの人間」を心から軽蔑します。

花火にしても、プルーインパルスにしてもそうであったように、我々は空を見上げるという行動それだけでもなんとなく元気になれます。

元気だから上を向くんじゃないんです。上を向くと元気になれるんです。

上を向きましょう! 

ブルーインパルスの人たちのように、日本中の花火師たちが、僕たちに笑顔の花を咲かせようとしてくれています。彼らこそ現代の花咲かじいさんかもしれません。「笑う」とは「咲う」とも書きます。咲は「えみ」とも読みます。その意を汲んで笑おうではありませんか。

それと、誰かを傷つけたり、怒らせたり、泣かせることでしか快楽を得られないみなさんも、たまには誰かを笑わせる行動による快感を得てはいかが?同じ快感でも雲泥の差があることを知るでしょう。



長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。