
オフィスの存在意義を語り、働き方をハックする機会の重要性
「オフィスは必要ですか〜会社に行くのはどんなとき?」というというテーマに関し、いくつか感じることがあったので書いてみたいと思います。
最も強く感じるのは、世界同時でリアルタイムに議論されている「オフィスの存在意義」、「マネジメンや法律のルールの書き換え」、「新しいテクノロジーの活用」などの最先端事例から、自分が所属する組織、地域、職種に応じる形で学びを深め、試行錯誤することがとても大切なるのではないか、という点です。
例えば、ここ数日の海外のニュース記事を眺めただけでも、以下のような大きなカバー特集がされるほど、世界同時の課題として議論が行われていることが分かります。
If you step back into the office this month, sit down and log on to your computer—but don’t get too comfortable. The fight over the future of the workplace has just begun. Our cover this week https://t.co/qkUkKfeP4b pic.twitter.com/IGnwbn50l7
— The Economist (@TheEconomist) September 10, 2020
在宅勤務を長期的に支持するツイッター、フェイスブック、ピンタレスト社のような企業群に対し、ネットフリックスのように在宅勤務を「純粋に否定的」と捉えたり、オフィスへの出勤を促すために1日最大55ポンド(75ドル)の手当を提供するブルームバーグ社のような事例も紹介されてます。
一方、オフィスワーカーの84%がオフィスに戻っているフランスと、40%未満のイギリスなど、組織、国、地域、職種に応じて多種多様なケース・バイ・ケースの対応が繰り広げられていることが分かります。
さらには性別、デジタルリテラシー、住居環境、テクノロジーのハードウェア環境、人事評価制度など、単純に「オフィス出勤の是非」に限られない、壮大な社会、組織、個人レベルでの実験が行われていくことと思います。
国内でも「在宅勤務手当」と検索するだけで様々な企業の取り組みを伺うことができます。
In our new Rebooting the Workplace series, Andrew Hill explores how the crisis has accelerated changes in the workplace that were already under way, triggering a radical rethink not just of where we work, but how. https://t.co/SRJrrFsxXc @andrewtghill #RebootingWork
— FT Work & Careers (@ftworkcareers) September 7, 2020
世界中でリアルタイムに共有される事例の中から、自分が置かれている環境に参考になりそうなアイディア、テクノロジー、ツールなど、アンテナを高く掲げ、どのようにそうしたカスタマイズされた「新常態」を取り入れていくことができるか、仲間と議論しながら最適化していくためのマラソンのような作業が今後行われていくことと思います。
『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。 唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』(チャールズ・ダーウィン)
そんな中、特に個人的に強く感じているのが、日々の業務の効率化、ビジネスパートナーとのコラボレーションを加速するテクノロジー、ソフトウェアの進化です。
出典:リモートワークに役立つSaaSカオスマップ2020 株式会社wib PRTimes
Zoom、Teams、Slackなどは既におなじみになりつつあると思いますが、リモートワークに役立ついわゆるSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)と呼ばれるツールなどを自分の置かれている環境に応じ、目利き力を発揮していち早く導入、最適化していく立場の人の重要性が高まっていくのではないかと推察します。おそらくは全社的なIT導入の決済権限を持っている人でなくとも、自分のチーム、部署の中で実験的に取り入れて試行錯誤をしていくような動きが大事になるのではないかと思います。
その点、フリーランス、独立した形で個人で活動している人であればこうした試行錯誤をより小回りの効く形で導入することが可能になります。ドキュメント情報やメモの効率的な入力や整理ができるツールとして最近一部で話題のNotionやRoam Researchが相次いで資金調達に成功したことはこうした生産性向上アプリへの注目の象徴と捉えることもできます。また、プログラミングスキルが十分になくてもカスタマイズ可能なアプリを簡単に作成できる『ローコード/ノーコード』と呼ばれるサービスの代表格であるAirtable(エアテーブル)が本日約195億円の調達に成功したこともリモートワーク、デジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする大きなトレンドと言えると思います。
先日寄稿した『2020年版『学びと仕事に役立つデジタルツール調査』 〜ビデオ会議、コラボ、エンゲージメント、ホワイトボード・ツールの躍進』の中でも200以上の業務改善・コラボレーションソフトが紹介されていますが、状況に応じて伴走しながら活用指南をする「ツール・コンサルタント(ソムリエ)」のような存在の必要性も高まるのでは、と、個人的にもチャレンジしてみたいという想いも含め、感じます。
冒頭の「オフィスは必要ですか〜会社に行くのはどんなとき?」という問いに関しては、その組織、部署、職種、地域、個人次第で単一の解はなく、それぞれの組織ごとの世界同時の知恵出し合戦(ただし他社事例の参照、TTP[=徹底的にパクる]は推奨)になるのではないかと感じます。
リモートワークがなかなか難しいエッセンシャルワーカーの方、製造業などで現場を離れる事ができない業務に従事している方、歴史や伝統があるが故にリモートワーク、デジタル化がそう簡単に進まない組織、地域などもまだまだあると思います。ただ世界を見渡すことで、改善に向けての工夫、しかけ、ハック(コツ)などがきっと共有されていることと思います。そんな事例や情報へのマッチングが少しずつでも進んでいくことを願っています。
ささやかながらでももしお力になれることがあれば是非お問い合わせいただけたら幸いです [email / Twitter] 🙂
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