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もう引っ込みがつかない感じなんでしょうか

ここまで来てしまうと、司法の判断が必要なんでしょうか。

本庶氏側が訴えを起こすのは、米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)と小野薬品が米メルクとの特許侵害訴訟で和解した際に決められた特許の使用対価の支払い配分について。本庶氏側はBMS・小野薬品を通じて、本庶氏側が受け取る対価として全体の10%を主張。現在の対価は少なすぎると主張していた。

この和解に伴うライセンス契約により、
小野とBMSが保有する用途特許と物質特許が有効であることを確認した上で、2社はメルクがキイトルーダを販売することを許諾し、メルクが2社に頭金として6億2500万ドル、キイトルーダの全世界売上に対して2017~23年は6.5%、24~26年の期間は2.5%をロイヤリティとして支払う。頭金とロイヤリティの分配率は、小野25%、BMS75%で決まった。
引用 https://www.yakuji.co.jp/entry55897.html

この頭金とロイヤリティについて受け取る対価が10%だと主張し、そして、メルクに許諾した特許使用料率(~2023年: 6.5%, ~2026年: 2.5%)が
小野と交わした際の契約での料率とかけ離れており、
そこを争点にしていきたいのだと私は理解しています。

この行動を取る本庶氏には以下の大義があります。

本庶氏が小野薬品に対し強硬姿勢に出るのは、研究成果により生み出された利益を大学へ還元する仕組みを作り、若手研究者の自由な研究環境を整えたいとの思いからだ。多くの研究者も指摘するが、画期的な成果を生み出すには自由な基礎研究が不可欠。本庶氏は大学のシーズから事業化の手前に発生する“死の谷”以上に、シーズを生み出す前の基礎研究の不足を憂慮する。

自由な基礎研究が不足していることへの焦燥感、全く異論はありません。

私がアカデミアで研究をしていた2008年ごろにおいても、
その研究は役に立つのか?とよく言われていました。
その問いに答えやすい分野とそうでない分野があると思いますが、
それでもそれに答えないと研究費が出ないとなると、
ある程度答えらえる様な感じの研究にしないといけないので、
それはそれで窮屈な感じがあります。

とは言え、これは研究者目線の論理。
これを180度転換して研究費を拠出する文科省や厚労省からすると、
意味あることに税金を使っていると言えなくてはならないわけですから、
それはそれで大変。。。
論文が増えたとか、特許が増えたとか、医薬品開発に繋がったとか、
何かしらの出口にたどり着いた(結果が出た)と言えないと、
無駄遣いするな〜って怒られる。。。

で、行政からの研究費についてはこんな感じもあるので、
(本庶氏自身は研究費に困ったことは無いとは思いますが、、、)
その研究費や若手育成にかかる費用を自前でやるとすると、、、と考えて、
小野薬品からの特許使用料を使おうと考えている本庶氏な訳です。

2006年に署名した契約に不服があると言っても、流石に難しいとは思う。

だから、個人的には話し合いの上での和解・合意というのが、
一番お互いにとって良い方法だと思っていましたが、
こじれた場合は感情抜きの法律論での判断を第三者の裁判所の登場です。

でも、なんだかすごくモヤモヤするんですよね。。。
この話題。
アカデミアの人や製薬企業の人はどう思っているのでしょう?

企業でのライセンス活動って、相場の値段があるわけではなく、
まさにゴリゴリの交渉ごとなんですよね。
だから海千山千の方々がBDには多く、経験値もかなり高い。
なので企業目線では、契約したのに泣き言言われても〜ってなるはず。
でも、大義には賛同しているからこそ、ロイヤリティ料率の変更はできないけれど、寄付金を出すとしているカウンタオファーをしている訳です。

それでもまだ希望額には足りないらしく提訴。。。。

製薬企業はとかく儲けすぎって批判がありますが、
かなりのリスクを取っている側面も忘れてあげないで欲しいんですよね。
研究開発費1000億円以上かけて、10年以上の歳月を経て、売り出す。

それまでに掛かった物凄い労力は涙なしでは語れないはず。
そして売り出したら、色々なプロモーション、営業活動、啓蒙活動、
卸の方との連携などなど売り上げを伸ばすための施策をたんまり実施し、
論文も書きますし、学会で発表したり、新聞記事を出したりと
物凄い量の活動の集約として、売り上げが立つことになります。

売り上げってのは、ただの数字ではなくそこに多くの人が関わった血の通った数字だということは忘れてはいけない点だと思っています。

そして足元では、
ダナ・ファーバーがん研究所の研究者ら2人が、本庶氏と小野薬品の保有する6つの特許の共同発明者とする判断がされています。

これによってダナ・ファーバーはロイヤリティを受け取れたり、第三者に特許権使用を許可できたりするので、結構えぐい内容の判断となっている。
すでに控訴手続きに入っているものの、BMSも含めた3者がタッグを組みダナ・ファーバーと争うべき状況で、本庶氏と小野薬品の対立があり、本当にドロドロしている感じになっています。

この対策については、
本庶氏と小野薬品の間に直接の対話が無いようなので、
本当に危険な状況だと私は思っています。

産学連携部門が大学に出来る様になった今となっては、
こんなドロドロな感じになることはあまりないですが、
産学連携の難しさや基礎研究への危機感が多くの国民と共有されるという
意味があるといいなと願うばかりです。

最後に個人的な、本当に個人的な意見なのですが、
医師はいるにしても、研究出身の国会議員ってほとんどいないと思うので、
本庶先生には国会議員になってもらって国政から科学技術を論じて欲しい、
と思わずにはいられません(大変だとは思いますが、、、)。

とにかく、この問題、早く決着して欲しいなと思うばかりです。

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黒坂宗久(黒坂図書館代表)

74年神奈川生まれ。子供時代に科学雑誌「Newton」を読み、宇宙飛行士を志す(963人から230人に残るが落選)。日米で免疫学を研究、製薬企業5年、トムソン・ロイターで5年勤務。現在は製薬会社にデータを提供する仕事。サイエンスの気になるニュースも発信します!

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