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AI時代は、「英語」よりも、「プログラミング言語」が標準語。

あなたは、コンピューターと仲良くしていますか?

 毎日、AI(人工知能)や、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの、コンピューターを活用した新技術の言葉が、さまざまなニュース・メディアで語られるようになりました。そして、どの企業も、新技術の導入のために、必要な人材を探し続けている。

 日本の就労世代のITスキルが、OECDの平均と比べて低いのである。実際に私もサラリーマンだった時代もあるし、今もコンサルティングでさまざまな企業に伺うが、これは私の予想とも異ならない。日本の詳細のレポートもダウンロードできるので、ぜひ一読してほしい。

 日本の就労世代はIT(情報技術)などの技能訓練が他国よりも不足し、国際的な競争で後れを取る可能性がある。

 「日本の就労世代、デジタル技能の訓練不足 OECD報告書」の冒頭の記事である。まさに、その通りである。そして、この危機意識は、他人に押し付けるのではなく、日本の就労者、一人一人の問題なのである。日本企業がグローバル化するときに、英語が必要だと言われたように。そして、今回のデジタル技術の訓練不足の方が問題は深刻だ。英語は、日本企業が海外に進出するのに必要だったのだが、今回のデジタル技術の訓練不足は、日本が向上しないと、日本国内の事業も、デジタル技術の高い諸外国の企業に事業を奪われる可能性があるのである。英語は、海外に進出できない問題だったが、デジタル技術の訓練不足は、日本からの事業撤退する可能性があるのだ。

 つまり、すべての就労者が、ITスキルを高める必要がある。AIやRPAの本質的なITの理解、簡単に言えばコンピューターと仲良くする必要がある。

子供は、プログラミング教育が必修化、私たちは?

 就労者である大人は、プログラミングは他人事に考えているが、2020年からは、小学校でプログラミング言語が必修化される。

 文系、理系の区別はない。すべての小学生が対象だ。これは、就労者にとっては、どの部署でもプログラミング言語を使える状態にするということである。でも、驚かないで欲しい。最近のプログラミング言語は、とても簡単になった。プログラミング言語の学びの本質は、「プログラミング言語そのもの」よりも、「コンピューターに指示(プログラム)」するということを学ぶのである。コンピューターは、人と異なり曖昧な支持ができない。「うまくやっておいて」とはコンピューターには言えないのである。「ちょっと待ってて」も無理で、「10秒待ってて」と明確に言わないといけない。

 会社の会議が論理的でなく、会議が堂々巡りする会社は、すぐにこのプログラミング言語の勉強をしたほうが良い。

今すぐ始められるプログラミング学習=部下への指示の改善

 小学生の間で広まっている、プログラミング言語を紹介しよう。そして、この言語は、誰でも利用可能で、インターネットにつながっているコンピューターがあれば、いま直ぐにプログラミングの学習が可能だ。

 プログラミング言語の名前は、scratchという。このscratchのサイトにアクセスしてユーザー登録を行えば、いつでもプログラムが学習できるようになる。scratchは、マサチューセッツ工科大学が開発した、教育用のプログラミング言語である。私も、利用しているし、私が授業を行っている事業構想大学院大学という社会人向けの授業でも教えている。

 上の図のように、言葉を書くのではなく、ブロックを組み立てるようにして、プログラムする。最初は右の猫を動かすのである。そんなおもちゃと思うかもしれないが、まずは行ってほしい。実に難しいのである。

 例えば、この猫を、円形に歩かせてほしい。そんな簡単だろう、「猫を円形に動かせば」と思うがそんな命令はないのである。「1度方向を変えては、1歩、歩き」という行動を繰り返さないといけない。ちなみに、「2度方向変えて、2歩、歩く」を180回行っても円にはなるが、やや滑らかではない。

 実は、この体験自身が、コンピューターと仲良くなるヒントなのだ。コンピューターに、明確に指示を出す。仕事の終わりの精度を定義する。これがプログラムの本質である。通常の業務の部下に指示を出す行為と一緒なのである。しかし、部下への指示は、人が聞くので、曖昧な指示でも、よろしくやってくれるのである。私たちの部下への指示は曖昧さがたくさんあり、プログラムになっていない。

 これから、皆さんの部下にAIや、多くのコンピューターも加わるだろう。しかし、曖昧な指示では一切動いてくれないのである。それが、コンピューターである。そして、この理解がデジタル技術の習熟の近道なのである。

 まずは、小学生が学んでいるコンピューター言語を学習して、同時に自分のビジネス・スキルも向上させてみてはどうだろうか。ちなみに、15年後の新入社員は、みんなこれができた状態で、会社に入ってくるのだ。

デジタル技術不足は、自分ごと

 今回の、「日本の就労世代、デジタル技能の訓練不足 OECD報告書」という記事を読んだ多くの方の会社は、だから若者教育しないと、学校教育旬日しないと、などと他人任せにするのではないだろうか。しかし、この件は、就労者一人一人の意識改革が必要なのである。

 20年前の英語ブームも、そうだった。英語を使えないといけないのは一部の人だと思っていたら、今では多くの企業で英語力がある役職に就くための条件になっていることが多いだろうし、かなり英語を使う場面も増えた。

 コンピューター言語も、同じだろう。確実に、社会人のビジネス・スキルの一つになるだろう。つまり、必須科目だ。それが諸外国に遅れているということは、企業のリスクであるのだ。今すぐ、デジタル技術不足対策に個人個人が望まないといけないのだろう。まずは、簡単なコンピューター言語scratchからでも。

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本間 充(アウトブレイン顧問/アビームコンサルティング顧問)

1992年に花王に入社。デジタル・マーケティングをリード。現在は、コンサルタントとして企業のマーケティングのデジタル化を支援。ビジネスブレークスルー大学の講師、東京大学大学院数理科学研究科 客員教授、事業構想大学院大学 客員教授。著作として「シングル&シンプルマーケティング」

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コメント1件

両方必要でしょ?
英語なんてできるのは当たり前。日本の中学3年分で必要最低限は賄えます。
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