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採用や研修のオンライン化は企業そのものを変えるだろう

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

GWを目前にして4都府県に3度目の緊急事態宣言が出されました。対象地域にお住まい、または勤務されている方々は慌ただしい状況かと思います。

この1年で以前よりリモートワークは進みましたでしょうか?ニュースを見ていると大企業の在宅勤務の状況が報道されており、結構進んでいるのかなという印象も持ちます。

東京都が実施した都内企業のテレワーク状況調査によると、2月後半の実施率は59%で2月前半から6ポイント低下した。従業員数300人以上の企業だと78%、30~99人だと48%で、規模が小さいほど低い傾向があった。

しかしながら、約421万ある日本企業の中で、「中小企業」は99.7%を占めており、大企業はわずか0.3%です。大企業で働く人は約3割ほどであり、このうちの7割程度がテレワークを実施しているようです。この割合からざっくり推定をすると900万人程度となります。つまり、残りが3100万人程度となりますので、このうち半分がテレワークをしていたとしても1500万人ほどは通常勤務ということになります。だとすると、朝夕の電車の混雑状況も納得ですね。

一方で、採用や研修、特に新卒向けについては劇的な変化となりました。

マイナビは採用広報解禁日の3月1日に、ウェブでの合同企業説明会「マイナビ就職MEGA WEB EXPO」を開いた。例年、同社が開催する同説明会は2019年まで対面が中心だった。一部オンラインを活用していたが、20年からはオンラインのみで開催している。今年の延べ視聴回数は20年比2倍増の約80万回だった。

今年のイベントには首都圏の企業を中心に約540社が集まった。首都圏1都3県を除く地域からの視聴の割合は5~6割で、回数は約43万回だ。20年の開催と比べると割合は大きく変わらないものの、回数は約18万回増えた。

オンライン化は都市偏重だった就活に一石を投じました。上京の費用がかからなくなった等、地方の学生に活路を開きました。また、SNSを活用する学生も増え、つながった社会人からのアドバイスをもらい第一志望のインターンに合格した例もあるようです。

就職活動でのSNS(交流サイト)の使い方に新たな潮流が生まれている。ビジネスで使われているSNSを使い、会社の第一線で活躍する社会人と直接つながろうとする学生が増えてきた。就活向けに作られたお仕着せのサービスでは得られない実情や本音が聞けるとして重宝しているようだ。

入社後の研修も変わってきました。集合型の座学の研修はオンラインへと移行しつつあり、社員のスキル開発のために社外のeラーニングを導入する事例も増加しています。マイクロソフトによると、eラーニングを通じて世界の3000 万人以上がコロナ禍においてデジタルスキルを獲得したとのことです。

https://news.microsoft.com/ja-jp/2021/04/02/210402-30-million-people-worldwide-acquire-digital-skills-during-covid-19/

新たな時代の働き方において最優先の課題とされているのが、重要なスキルの短期間での習得です。世界経済フォーラムによると、今後わずか4年間に8,500万の職が失われる一方で、9,700万もの新しい職が創出されると予測しています。世界の人材開発担当者が考える最優先の課題にも、社員のスキルアップとリスキリング(能力開発)が挙げられています。

長きにわたり、人々の雇用を決定するのは過去の職歴、学歴、そして、推薦者でした。デジタル化が進むことにより自身のスキルがより可視化され、また証明することができると、このようなバイアスを排除してよりその人自身を評価することができるようになります。企業においても従来の評価規準だけではなく、今まで見逃されることが多かった実践的スキルにも目を向けるようになってきています。

これらの変化により人材採用のやり方や社員のリスキリングが加速すると、企業自体も大きく変化していくのではないでしょうか。

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タイトル画像提供:emma / PIXTA(ピクスタ)

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