リーマン10周年のキーフレーズ【民間債務・新興国・企業部門】

いよいよ金融史のみならず世界史上の大事件ともなったリーマンショックから丸10年が過ぎようとしています。最も受ける照会が「次の芽はどこにあるのか?」です。この点について極力易しく、しかし客観的なデータを元にコラムを書いてみました。ショックは想定していないからこそショックになるのであり、それが分かれば苦労はないわけですが、敢えて今気になる論点を列挙するとしたら、やはり世界で目立ち始めている民間債務の累積でしょう。より正確には「民間債務」・「新興国」・「企業部門」の3つがキーフレーズになると私は考えています。

詳しくは本文を参照にして頂きたいと思いますが、やはり過去10年における新興国の民間債務の積み上がり方は絶対額で見ても、経済規模対比で見ても、尋常ではありません。もちろん、これが即危機に繋がるという煽りに加担するつもりはありませんが、世界の資本コストであるFF金利上がっている以上、「低金利だから儲かっていた」というプロジェクトは淘汰されるでしょう。しかし、それこそが利上げという政策の本分です。

来年や再来年は今年よりもさらに新興国で外貨建て借り入れの償還が増えるとのデータも出ています。そのような環境でいつまでパウエル体制のFRBが淡々と利上げ路線を歩めるのか。私は今後半年以内には声明文を改める必要が出てくるように感じていますが、まだ海外経済環境に配慮する気配は殆ど感じられません。基軸通貨国に限っては「金融政策は国内経済目的で」という紳士協定が必ずしも適切ではないと思うのですが・・・果たして。

宜しければご笑覧下さいませ。

https://www.businessinsider.jp/post-175179

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