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自分も相手も成長する 仕事の頼み方

突然ですが、みなさん仕事を人に頼むときってどんなことに注意していますか?「コンサルや専門家などが相手であれば話は別だが、基本‘自分ができること’を切り出して、どこまで頼むか範囲を考える。」ということだったり、相手が部下や後輩であれば「この仕事を通して、自分のやり方や仕事の進め方を教えてあげよう」ということだったりしませんか。でも…そんな相手を思った意識や行動が、相手が主体的に考える機会や、自分自身の成長機会を奪っているとしたら…?

こんにちは、フリーランス×チームの働き方 ナラティブベースのハルです。今日は、上下関係のない組織で、互いが同時に成長する『相互成長』を大切にした仕事依頼を心がけているわたしが実践している「自分も相手も成長する仕事の頼み方」について、ベースとなる「相互成長」という考え方にも触れつつ書いてみたいと思います。

「相互成長」って何?

相互成長は、弊社でよく使われる共通言語のようなもので、その名の通り、関係性の中で互いに相手の成長を作り出すという意味で使っています。「人材育成」といった言葉にどうしても違和感があり、「人材」でもないし、「育成」でもないし、と行き着いた造語でもあります。

わたしが運営している組織はフリーランスの集団のため、上司と部下の関係も、教育担当と新人の関係もありません。ただ、当然仕事の内容によってスキルや経験には差があるので、その差分を埋める必要はあったりします。「差」と書きましたが、正確に言えば、持っているスキルや経験が「違う」だけなので、教える側と教えられる側をわけずに、補い合ったり観察しあったりするうちに、互いが気づき、学び合うのが理想です。誰かが誰かに決まったことを教えるのと違い、「相互成長」には思いもよらない学びや気づき、新たな発見や進化などが起こります。自分も学べて、相手も育つ、仕事の依頼を通してそんな関係性が育まれたらステキですよね。

(なーんて書くと、その必要性を最初からわかって組織運営してきたように聞こえてしまいますが、実際は四苦八苦しながらやってきました。この組織運営を始めたころは、特定分野で自分よりスキルのある人に仕事を依頼することは日常茶飯事でしたし、「この人、どこまでできるのか全くわからん。。。」と暗中模索のなか依頼することもしょっちゅう。勝手に相手を判断して失敗しないように、あれこれ繰り返しているうちに、互いに知り合うことが結局自分自身の成長にも相手の成長にもつながった!というのが本当のところ。)

「相互成長」を生み出す仕事の頼み方

もちろん同じようなことを行なっている方はたくさんいると思いますが、わたしなりに言葉にするとこんな感じ↓です。
それぞれが作り出す成長の機会と、流れについて説明します。

『自分も相手も成長する仕事の頼み方』
① 依頼のとき、余白をつくる
② 相手の出方を、観察する
③ 自分なりに、 解釈する

① 余白をつくる

当たり前ではありますが、仕事を頼む時、自分が考える進め方ややり方が、ベストとは限りません。心がけるのは、「可変な部分を残して、相手に判断を委ねていることを明確に伝える」ということ。

事細かにやり方を伝えその通りにやることを求めるとマイクロマネジメントになってしまうし、かといって、目的だけ伝えてやり方を相手に考えさせるというのも不安。なによりよくわからなくて手をつけられないなどと言われそう…。なんて場合に、いいとこ取りのやり方かもしれません。

例えばこんな感じ。

「目的、課題はこうで、こんなやり方が適してるんじゃないかと思う。でも、それはわたしのやり方なので、もしかしたら○○さんなら別のやり方を知っているかもしれない。やりやすいやり方やこの方がよさそうというやり方があったら是非そちらでやってみて、やり方を教えてほしい」

余白を残すことで、自分で決められる自由な部分をつくる。たとえ提示したやり方を選んだとしても、それはその人が主体的に決めたことになる!
👉『依頼のとき、余白をつくる』と、相手の決定の機会が生まれます。


② 観察をする

大げさに言えば、ちょっとした仕事であったとしても、自己選択があればそれがその人の経験やスキルを表現する場になります。相手がその余白をどう使うのか、観察することを自分の宿題にします。

その決定をしたのには、その人の経験や価値観が含まれているので、必ず相手に対する発見があります。自分のやり方を一方的に説明したり指導していると、その発見の機会を失ってしまいますよね。

・提示したやり方でそのままやる
・アレンジしたり工夫を加えてやる
・自分なりの違ったやり方でやる
・課題・目的から別の手段を提案する

なんでそれを選んだのか?そのことに疑問をもったり、興味をもったりして、質問してみる。
その人の特性を観察し発見する、そして、自分になかった発想ややり方だったら、それを素直に吸収する
👉『相手の出方を、観察する』と、発見と吸収の機会が生まれます。


③ 解釈をする

最後に大切なのは、その相互の影響しあい、やり取りを自分なりに「解釈する」ということです。いちいち?と思うかもしれませんが、時間のかかることではありません。「どんな意味(価値)があったのかな?」と瞬間的に感じるだけです。

相手が自分の提示するやり方を毎回忠実に再現するのであれば、それには「あなたのスキルを吸収したい」というメッセージが含まれているかもしれませんし、「郷に入れば郷に従えで、まずやってみよう」というカルチャーを尊重した姿勢かもしれません。
必ずアレンジをしてくるなら、「ゼロから考えるのではなく工夫や改善するのが得意」というアレンジの特性を表しているのかもしれないし、全く別のやり方をしてくるということは「前職の経験を活かしていけるかも」というモチベーションが滲み出ているのかもしれません。

必ずポジティブな解釈をしなくても構いません。やる気のない対応をされるのであれば、それにもまた意味があるでしょう。場合によってはその解釈を相手に伝えて改善をする必要があるかもしれません。

重要なのは、ポジティブであってもネガティブであっても、解釈をするという行為は「その出来事に関心を寄せられている証拠」だということです。つまり解釈の感度が、自分の相手への、もしくは相手との関係性への興味関心の尺度になります。もっというと、解釈はその関係性を続けようという意欲なのです。逆に意識をそこに向けられなくなっているのを感じたら、それは自分自身がそこへの期待や価値を感じなくなっているというアラートかもしれません。そのまま放置せずアクションをを考えるタイミングです。

この機会もまた、一方的にやり方を説明、その通りやってもらうの関係では、関係性そのものに意識が向かず、流れて気づかないものかもしれませんね。
👉『自分なりに、解釈する』と、内省・改善の機会が生まれます。


いかがでしたか。ちょっとした心がけではありますが、仕事ひとつ頼むという行為の中でも、相手だけでなく自分の成長の機会につなげることができます。仕事の中でよくあるシーンだからこそ意識できると蓄積されるものも大きいのではないでしょうか。

これから迎える新しい季節、新しい方とのコミュニケーションのヒントになれば幸いです!

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