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認知症対策サービスと新聞販売店の相性

 70歳以上の高齢者が外出中に迷子、行方不明になる件数は、警察への届け出がある分だけで年間2万件を超している。その7割以上は認知症が原因である。認知症患者の数は、2015年には525万人だったが、2025年には730万人に増加することが予測されおり。これは高齢者の20%が該当する割合になる。また85歳以上では、55%の人に認知症の症状がみられる。

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そこで、認知症になった高齢者の見守り、迷子になった高齢者を発見するためのツールやサービスが求められている。高齢者はスマートフォンなどのデバイスを使いこなすことが難しいため、その方法はできるだけシンプルな方が良い。

地図コンテンツの制作を本業とする昭文社が考案、販売している「おかえりQR」は、連絡先が記録されたQRコード付きのシールで、持ち物(カバンや杖など)に貼り付けておけば、近隣の住民が不審な高齢者を発見した時に、家族への通知をすることができる。

「おかえりQR」にはユーザー登録機能があるため、高齢者のいる家族は、専用のサイト上から連絡先となるメールアドレスを登録しておけば、迷子を発見した近隣の住民や警察官が、QRを介して家族に連絡できる仕組みになっている。ユーザー登録の際に、氏名や住所までの登録は不要で、シンプルかつ個人情報に配慮された利用形態になっている。

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昭文社では、「おかえりQR」による迷子発見サービスの普及を進める策として、全国各地の郵便局と新聞販売店との提携を進めている。東京、神奈川、山梨、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城などの郵便局(約4800局)で、同シールの店頭販売を行っている他、2019年11月には、京都新聞販売連合会に加盟する新聞店(京都市内の59店)も、販売窓口となることが発表されている。

新聞販売店は、毎日の配達業務で地域を巡回しているため、高齢者がいる家庭との繋がりが深く、配達員が迷子を発見できる可能性も高い。そのため、認知症患者早期発見サービスの提携先には適している。新聞販売店の数は減少の一途を辿っているが、地域に密着した戸別配達のネットワークは、郵便局と共に優れており、高齢化社会が進行する中では、絶やすべきではない社会インフラといえるのかもしれない。

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※データ出所:日本新聞協会

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