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#budwiser と #heineken は、全く異なる。なぜ?


夏です。ビールの季節です。

5月になると、東京では、早くもビール日和の日々に入ります。私も、ビールが好きなので、今年のビヤガーデン情報などを確認し始めています。

ところで、この冒頭の書き出し、違和感を覚えた方はいませんか?きっと、ビールのマーケティング関係者は違和感を覚えているはずです。理由は、ビールは夏だけのものではないからです。ビールのマーケターの中には、春夏秋冬、ビールは季節に合わせてマーケティングしているので、「夏だ、ビールだ。いや、1年中ビールだ」と認知して欲しいと思っている方も多いのでしょう。

一方、消費者の多くは、「暑い、ビール」となるのです。この2者の違いが、マーケティングの難しさなのです。ビールのValueを「味」と考える人と、「クールダウン」と考える人がいるのです。

そして、このValueの違いは、同じビール・ブランドでも異なるのです。

インスタグラムで、#budwiserと検索してみましょう。

早速、写真・動画系のSNSの一つである、インスタグラムで、#budwiserと検索してみましょう。私の場合は、以下のような画面になりました。

Instagram #budwiser

あれ、何か、飲まれているシーンがないですね。そして、バドワイザーは、ブランドとブランド・ロゴの印象が強いのか、それらの写真が多くなります。少しだけ、飲まれている写真も出てくるのですが、私の場合は、その写真には、本人の顔が写っていませんでした。

皆さんも、自分のブラウザや、Instagramのアプリで試してみてください。

インスタグラムで、#heinekenは?

では、ハイネケンで同じことを試してみましょう。

Instagram #heineken

先ほどと写真の雰囲気が違いますね。料理とハイネケンが一緒に出ていたり、この他にも、ビールで乾杯している写真も複数あり、ハイネケンの場合は、乾杯している人の顔は写っています。

同じビールでも、価値が異なる

この簡単な考察は、同じビールでも、ビールが提供している価値(Value)が違うことを示しています。または、別な言い方をすると、ビール・ブランドごとに、お客様の属性が異なり、そのお客様の求めているValueが異なっているのです。

 ビールには様々な価値があります。「味」「乾杯の道具」「食事の演出役」「友情の確認」「大人の確認」などなど、たくさんあるでしょう。

ビールの価値を探索は、永遠のテーマかも

この記事に、大変興味深い言葉があります。

アサヒビールの松山一雄社長が抱えるのは「国内ビールの味覚への評価は高まっているのに、なぜ市場が縮んでいるのか」という問題意識だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD104H30Q4A510C2000000/

ビール市場は、「味」で全て説明できるのかということなのでしょう。お客様のビールに求めている「価値」が、「味覚」だけなら、この説明は「真」なのですが、少なからず私のビール価値の中には、「夏だ、ビールだ。クールダウンだ」もあります。

ビールのValueを理解すること。これが、ビールのマーケティングの重要なテーマであり、その仕事は終わりないのでしょう。なぜなら、人の暮らしは変化します。変化をすると、ビールに求める価値も変わるのでしょう。

これが、マーケティングの面白いところなのです。

さぁ、皆さん、インスタグラムで、身の回りの「製品名」や「ブランド名」で検索してみてください。どんな写真が出てきますか?そして、その写真から、なぜその写真を撮って、SNSで公開されているのか考えてみてください。もう、それは、マーケティングです。

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