複業が失敗してしまう3大パターン #複業の教科書
好評発売中!の『複業の教科書』を毎日連載するカタチで全文公開中です。
前回、第12回はコチラからどうぞ。
パターン1:「簡単にお金稼げます詐欺」に引っかかってしまう
この章では、複業でよくある〝失敗〟について、典型的なパターンと予防策についてお伝えしたいと思います。
「副業解禁」の時流の中で、ちょっと危ない便乗商法などが増えているのも事実。また、「二兎を追う生き方」に慣れていない日本社会においては複業によって生活に無理が生じるリスクも少なからずあります。
複業で後悔しないためにも、必ずチェックしてください。
ラクして稼ぎたい、という欲で騙される
「とりあえず手近な複業から始めて、ラクしてお小遣い稼ぎができたらラッキー。うーん、やりたいこともすぐに浮かばないから、ネットで『副業』と検索してみようかな……」
そんな〝ラクして稼ぎたい〟だけの動機で複業を始めるのは非常に危険。油断していると、ネットにあふれる「副業詐欺」に、引っかかってしまいます。
試しにちょっと検索してみると分かります。
「未経験でも、学生でも、月◯万円も夢じゃない!」といった美味しいキャッチに乗せられてみたものの、ふたを開けてみれば、いかにも怪しい情報商材やネズミ講まがいのネットワークビジネスだったという事例が世にあふれています。
人間誰しもできるだけラクをしたい生き物。
「ラクして痩せたい」という人がダイエット商法に多額のお金を支払ってしまうのと同じように、「ラクして稼ぎたい」という欲求につけ込まれて損害を受ける人が後をたちません。
副業詐欺の被害に遭った若者たちの実状は、僕の耳にも入ってきています。
実際、僕が運営する複業家コミュニティ「HARES COMMUNITY」のメンバーでもある弁護士の稲田遼太さんは、副業詐欺による破産手続きを複数件手がけたそうです。
「まず、『誰でもラクして稼げます! 稼げるあなたになるために、とっておきのメソッドを教えます』と言ってセミナー参加を呼びかけるんです。あるいはDVDを売りつける。いずれも高額ですが、『稼げるようになるための投資です』と言って払わせる。
内容は大したものではないから、決して稼げるようになりません。
すると『あなたはまだ勉強が足りないようです。ならば次の教材を試してみてください』とさらに高額の商材を提示されます」(稲田さん)
ここで詐欺だと気づいてやめればいいものを、そうはいかないのが人の性。
一度お金を払ってしまったモノに対してはつい「もとを取りたい」「あれだけのお金を払ったのだから、価値がないわけがない」という心理が働き、ますます財布は出血してしまうわけです。
「結果、教材代がかさんでキャッシュフローが回らなくなり、強引な取り立てとの押し引きを経て、やがて自己破産に。ラクして収入を得るどころか、破産の道へと転落してしまう悲劇は実際に起きていることを、知ってほしいですね」(稲田さん)
副業して稼ぐするつもりが破産へ―。これは絶対に避けなければなりません。
予防策として講じるべきは、やはり「ラクして稼げるほどビジネスは甘くない」と理解することに尽きます。
「ラクして稼ごう」と思った時点で、悪意ある人たちから足元を見られてしまう。それくらいの危機感で臨みましょう。
そもそも、複業で得たいものは何なのか?
その問いを突き詰めた結果の答えがもし「お金」だったとしたら、複業という選択肢ではなく、まず本業で成果を出す方法を考え抜くほうが圧倒的に効率がいい場合もあります。
複業に求めるべきものは、「本業だけでは得られない自己実現や社会に向けての価値提供」、または「本業でさらなる成果を出すための学び」です。
その原点を忘れないようにしたいですね。
パターン2「あいつは副業やってるから」と後ろ指をさされてしまう
本業でできない自己実現や学びの機会になる複業だからこそ気をつけたいのは、「没頭し過ぎて周りに迷惑をかけない」こと。
本業の職場の上司や同僚に「あいつは副業始めて、戦力にならなくなった」と言わせてはダメです。モチベーションレベルが「副業>本業」な社員だと認識された途端、会社からの高い評価は期待できなくなります。するとますます本業のモチベーションが下がる下降スパイラルに。
上司も人間ですから、「こっちの仕事を優先しないということは、上司である俺(私)のことも軽くみているんだな」という発想になりがちです。
まるで〝浮気〟されたような屈辱を感じてしまうのです。そうすると、職場の人間関係は悪化し、居心地も悪くなります。最悪、退職にまで至ることだってあり得ます。
複業をするからこそ、本業のパフォーマンスが上がる。そんな上昇スパイラル効果を見せることが大事です。
そのためにできる対策としておすすめしたいアクションは、〝職場巻き込み〟です。複業を始める段階から職場の上司や同僚に「こんな活動を始めようと思います」と公言し、積極的に巻き込んでいくのです。
・複業を公言する。
・複業の成果を報告する。
・複業で得られた価値を本業にも還元する。
複業の〝見える化〟と〝価値還元〟を徹底して意識することで、複業は周囲からも歓迎される活動になります。
そして、ベースにあるべきは「謙虚な心」。
複業に取り組める環境を与えてもらっていることへの感謝を、会社の上司や同僚に日頃から伝えておく心がけは持ち続けていたいものです。
パターン3:「とにかく頑張る!」とオーバーワークで生活が破綻してしまう
複業を始めるからといって、本業にかける時間が減るわけではありません。単純に考えれば、働く時間は〝純増〟します。
ここで重要になるのがオーバーワーク対策です。
好きなことを始めて、本業でも成果を出そうと頑張って……、気がつくと〝一人ブラック企業化〟してた!ということも。
かくいう僕も、自己管理の難しさを痛感した経験があります。気がつけば、週に80時間働いていた時期もありました。
周りを見ていても、真面目で奉仕精神が高い人ほど、本業と複業のオーバーワークループにハマってしまうようです。
何も意識しなければ働き過ぎになるのが、複業のリスクの一つだと心得ておきましょう。
ということで、積極的に身につけるべきが、自己管理のスキルです。
一つの事例として、僕自身の現在の実践を紹介すると、大きく3つのルールを自分に課しています。
・ ・ ・ ・ ・
続きはコチラ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?