数年前に米国に訪問した際に、友人がiPhoneのカメラをシールでふさいでいたので、その理由を聞いたところ、
「気付かないうちに、勝手にカメラが起動されて録画されているという噂があって、怖いので使わない時はふさいでいる」
とのことでした。
まあ、悪質な都市伝説のようなものだろうと、冗談のように捉えていましたが、この噂は現実であったことが明らかになっています。
最近TVCMで「みんなの個人情報を守る存在はアップル」と宣伝していますが、実際は、他の利益だけを追求する企業と同じ穴の狢だということが露呈しています。
iPhone購入者は、アップルブランドを信頼し、高額を支払い利用しているわけですが、自分の情報が知らないうちにここまで知られていることに驚かれるのではないでしょうか。
許諾なく、生活の細部を覗き見られることに平気な人は少ないはずです。
単純な話として、自分がやられたら嫌なことを、顧客に対して実行するのに何とも思わない組織が世界のトップ企業として君臨できる世界は、はたして正常なのでしょうか。
プライバシーがどうあるべきかの議論ではなく、失われていく企業倫理をどう担保すべきかという深刻な問題だと認識をしています。