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ZOOMを活用した自宅ビジネスの開業方法

 アフターコロナの世界では、店舗への集客が難しくなるため、多くのリアルビジネス事業者が、動画配信の活用を模索している。 リアルからオンラインへの移行は、事業立ち上げの初期費用や固定費を下げるため、個人にとっても起業のチャンスがある。コロナ危機で職を失った人も、ローリスクな在宅起業で生計を立てられるようにすることは、新時代に適応した働き方の理想像といえるだろう。

コロナ禍では、ステイホームで余暇時間を楽しむ消費者が増えているため、彼らのニーズに合った新サービスを提供することが、ビジネスチャンスとして浮上している。

夏休みを目前に控え、例年なら海外旅行や帰省などの予定を立てるのに忙しくなる時期だ。今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、家の中で過ごす人も多いのではないだろうか。そんな人向けに「ステイホーム」しながらも、旅行や遊園地など定番レジャーを疑似体験できるサービスが増えている。(日経新聞2020/7/6)

ビデオを活用したスモールビジネスとしては、YouTubeで動画配信を始める人が増えているが、広告に依存した収益構造は不安定で、本業として生計を立ていけるのは、一握りのクリエイターに限られてくる。そのため、YouTubeの他にもZoomを活用して有料課金型のビジネスモデルを築く方法が注目されている。

Zoomは、限定されたメンバーにミーティング参加のURLを通知できるため、事前予約制で参加チケットを購入してもらい、有料のセミナーやミーティングに招待するフローが作りやすい。

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Zoom活用のスモールビジネス例として、海外ではオンライン料理教室の形態が増えている。米カリフォルニア州の主婦が経営する「Bon Vivant」は、Zoomのビデオプラットフォーム上で行われる料理教室で、毎週の月曜、水曜、金曜にライブクッキングのクラスが開催されている。

会員ユーザーは月額15ドルの固定会費を払うことで、すべてのライブクラスに参加することができる。公式サイト上には、各ライブ配信で扱う料理メニューが事前に掲載されるため、希望のクラスのみ参加することも可能だ。

ライブクラスの特徴は、講師が調理の実演をしている途中でも質問ができる点で、録画済みのビデオを見るよりも、より実践的なスキルを学ぶことができるし、講師と生徒の信頼関係も作りやすい。ライブ配信に参加する生徒数を無制限に増やしていけるのは、オンラインクラスの利点だが、参加人数を10人に限定して詳しい質問にも対応できるプライベートクラスも、1人あたり1回20ドルの参加料で設定されている。

Bon Vivant

また、在宅フィットネスのトレーナーもZoomとの相性が良い。米国では新型コロナで閉鎖されているフィットネスクラブが多く、トレーナーも失職状態となっているが、Zoomを活用したレッスンに活路を開いている。

「TYE4 FITNESS」は、ニューヨーク在住で41歳の女性トレーナーが自宅で開業しているオンラインフィットネスクラブで、子育て中の女性を主なターゲットとして、在宅で参加できるライブクラスを毎週2回(1回30分)のスケジュールで行っている。会費は月額14.99ドルの固定料金で、トレーニングは独自開発されたフィットネス用具(80ドル)を利用して行われるが、従来型のフィットネス施設に通うよりも安い。

TYE4 FITNESS

ライブレッスンの原価コストは、自分の労力を除けばZoomの利用料金(月額15~20ドル)で済むため、自宅で起業するトレーナーにとっては、レッスン料金を安く設定することが可能になる。レッスンのテーマは、料理教室やフィットネス以外にも広げていくことができ、グループレッスンと個別レッスンの両方に対応できるのも魅力だ。

現状のライブストリーミングは、映像と音声のタイミングが若干ズレる遅延が生じる欠点もあるが、5Gの通信規格が普及すると遅延も解消されて、ライブ配信のリアル感は高まると言われている。

感染症のリスクが常に意識される新しい時代には、衰退する業界や職業が増える一方で、新たに登場してくる仕事やビジネスチャンスも多い。そうした時代の転換トレンドを先取りしながら、働き方を変えていくことが、個人事業者やフリーランスが賢く生き残るための術となるだろう。

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