在宅ワークで腰痛・肩こり・頭痛に悩んでいる方はぜひ「スタンディングワーク」を。

筆者が「プレゼンティーイズム」という概念を知ったのは、2017年。当時からDeNA社で健康経営に取り組まれている平井孝幸さんの記事を読んだことがきっかけだった。

それから5年近く経った今日、ついに日経電子版で「プレゼンティーイズム」がタイトルに入った記事が掲載されていた。筆者が知る限り、初めてのことだ。「プレゼンティーイズムって何ぞや?」という方も多いはずなので、記事を引用しつつあらためて解説しよう。

「プレゼンティーイズム」とは従業員が会社に出勤して仕事をするものの、心身の不調で生産性が低下している状態のことである。欠勤には至っておらず、勤怠管理上は表に出てこない。しかし、心身の不調が労働損失、つまり企業の損失につながることを認識する必要がある。

出典:プレゼンティーイズムに関心を 田中理文氏

心身の体調不良が原因による遅刻や早退、就労が困難な欠勤、休職(absent)を指す「アブセンティーズム」は、欠勤・休職というカタチで問題が見えやすい反面、「プレゼンティーズム」は形式上は問題なく出勤・勤務できている(present)ので問題が潜在化し、見えにくい。

従業員1人あたりの1年間のプレゼンティーイズムによる労働生産性の損失は15%程度とされる。プレゼンティーイズムによる損失は医療費や病欠よりも大きく、これらを合わせた企業の健康関連コストのうち、実に6~7割をプレゼンティーイズムが占めるという研究結果もある。

出典:プレゼンティーイズムに関心を 田中理文氏

プレゼンティーイズムによる損失は医療費や病欠よりも大きい、というのはなかなか衝撃的なデータである。

わたしのプレゼンティーズム

筆者自身は、3度のメンタルダウンを経験していることもありセルフケアには人一倍こだわっている方だ。そのおかげか、この3年間は一貫してウェルビーイングな状態をキープできている。

その具体的な取り組みについては以下の記事にまとめている。

コロナ禍で日本国内でうつ病・うつ状態に苦しむ人が2.2倍に増え、在宅勤務でプレゼンティーイズムに悩まされた人も多かったはず。幸い、筆者はメンタル面でのプレゼンティーイズムに苦しむことはなかったが、フィジカル面でのプレゼンティーイズムには大いに苦しめられた。

そう、タイトルにもある腰痛・肩こり・頭痛である。

2020年4月の緊急事態宣言以降、外出一切ゼロの完全在宅勤務により、筆者のワークスタイルはリモートワークに最適化された。その結果、ムダな外出がなくなり、生産性は飛躍的に向上。家族と過ごす時間も激増したため、見方によってはコロナ以前よりもウェルビーイング度が高まった、とも言える(子どもたちの休校期間中は完全なる地獄であったが…)。

しかし、その代償として失ったのが運動習慣だ。コロナ以前は外出でのアポイントや移動が多かったこともあり、1時間以上座りっぱなしで作業をするような日は実はそう多くなかった。ところが完全在宅勤務になって以降、ご飯の時間などを除き、丸一日・4〜5時間以上イスに座り続け、PCに向かい続ける、という日々がずっと続いていた。PC一つあれば、打ち合わせから資料作成に至るまで、すべての仕事をイスに座ったままこなせてしまうからだ。

そうした日々がはじまってから、それまではほとんど無縁であった腰痛や肩こりに悩まされることになる。聞けば、このような症状に悩まされる在宅勤務者は筆者に限らず結構多いようだ。リモートワーク時代のプレゼンティーイズムの典型例なのかもしれない。

「スタンディングワーク」に変えた瞬間、腰痛・肩こりの悩みはゼロに。

そんな中、SNSで学生時代からの友人が「自宅のデスクを昇降式デスクに変えてみた」という投稿をしているのを発見した。曰く、昇降式デスクに切り替え、スタンディングワークスタイルに変えた結果、肩こりが良くなったそうだ。

「これだ!!!」

そう直感した筆者はすぐにネットで昇降式デスクを検索してみた。が、どれも結構なお値段がする。そして、すでに需要が高まっていたせいかどれも在庫切れを起こしていた。

「そもそも、スタンディングワークスタイルが、自分にあっているかどうかわからないしな…」

ということで、まずは一定期間「お試し」をしてみることにした。

STEP1:まずは卓上デスクを活用してお試しスタンディングワークを。

いきなり高額の昇降式デスクを購入するのではなく、現在使っているデスクの上に置いて使える卓上デスクを活用して、擬似的にスタンディング化したのだ。

その時購入した商品がこちら。

12,500円で購入できるので、昇降式デスクの金額と比べれば破格の安さ。ゆえにハードルが低い。まずはこれでスタンディングワークを試してみて、自分に合わなかったら元に戻そう。それくらいの軽いノリではじめてみた。

*ちなみにその際、知人のすすめでこちらの疲労軽減マットも購入し、現在も使っている。スタンディングだと、どうしても足に負担がいってしまうため、このような疲労軽減マットは必須である。セット購入をオススメする。

当初は「3ヶ月くらい試してみて、良し悪しを判断しよう」と考えていたが、3ヶ月も待つことなく、その効果を実感することになる。コロナ禍以降、慢性的に悩まされていた腰痛・肩こり・頭痛の悩みが気づけば全くなくなっていたのだ。

このことを当時も今もお世話になっている整体の先生に報告したところ「そりゃあ効果てきめんですよ!同じ姿勢でずっと居続けることはカラダ様にとって最大の毒ですから」というフィードバックをいただいた。曰く、座りっぱなしなのは絶対NGで、最低でも1時間に1回は一定時間以上立ち、歩く必要があるが、シッティングワークだとなかなか難しいのが現実だ。

その点、スタンディングワークであれば、基本立ったまま仕事をして、疲れたら座り、また一定時間経過したらスタンディングに切り替える、ということにより腰痛や肩こりの原因になるストレスを最小限に抑えることが可能になる。

STEP2:お試し期間終了後、気に入ったら正式に電動式昇降デスクを。

そういうわけで、スタンディングワークに切り替えたことでプレゼンティーイズム(腰痛・肩こり)からはすっかり解放され、昨年の7月には晴れてオカムラのSwiftという電動式昇降デスクを購入し、それ以来完全にスタンディングワークが定着した。卓上デスクと比較して、ワンタッチでデスクの高さを変えられるため、スタンディング⇔シッティングの切り替えがスムーズでとても快適だ。もはやシッティングワークには戻れない。

読者の中で、「在宅ワーク続きで腰痛・肩こりに悩まされいる」という方は、騙されたと思ってまずはSTEP1のお試しスタンディングワークだけでも試してみてほしい。

余談:パナソニックのコリコランがスゴイ。

スタンディングワークに切り替えたことで肩こり・腰痛の悩みに完全に解放された筆者だが、実はつい最近(4月頃)、約半月にわたり激しい肩こりに悩まされていた。理由はハッキリしていて、3月に生まれた0歳児を8時間以上ずっと一人で抱っこをしたままオンライン講義を受け続けた結果、右肩に尋常ではない負荷がかかっていたようで、翌朝からまるで寝違えたかのような激しい肩こりに悩まされることに。それも半月近く。これを解消するために整体に行くなどアレコレ試してみたもののどれもなかなか効果が出なかった中、一縷の望みを託してパナソニックの高周波治療器「コリコラン」を購入して試してみたところ、初日から効果を実感し、つけ始めて4日目の朝にはコリが完全に解消された。以来、至るところで「コリコランがスゴイ!」とふれて回っているが、ニーズがあればコリコランについて詳述する記事も書いてみたい。


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