原発ゼロ法案は、誰が抵抗勢力か、からして見誤っている
原発ゼロ法案がなぜダメかを書きました。
原発ゼロへの抵抗勢力としてはたいてい、「利益のために原子力に執着する電力会社」「それと癒着する役人」という「黒い構図」で語られます。しかしながら、いま電力会社が原子力をやりたがっているというのがそもそも幻想。(安全対策投資を既にしてしまった原発の再稼働は頑張るでしょうが、新設は正直考えていないでしょう。立地地域の手前前向きな姿勢は見せているかもしれませんが)
原発ゼロを法律で定めてくれたら、原子力の事業リスクを遮断できることに胸を撫で下ろすのではないでしょうか。自分が電力会社の経営者であればそうですよね。
問題は、原発をゼロにした後、では電力供給は?という話です。
再生可能エネルギーに舵を切れ、とよく言われますが、私たちは既に年間で2兆円をはるかに超える支援をしています。ただインフラは急には構築できないので時間がかかるという話です。
エネルギーをどう変えていくのか。変えるまでのつなぎをどうするのか。既にある原子力施設の「お葬式代」はどうするのか。
いろいろ総合的に考える必要があるのに、電力会社と役人という抵抗勢力を仮想敵としてとどまっているのが、この法案のダメなとこ。というのを書きました。
http://www.sankei.com/column/news/180308/clm1803080005-n1.html