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「玩具」としての絵本 ー読む聞くから、触る遊ぶへ

昔から子どもの頃から絵本が好きで、自分で本を買えるようになった学生時代から、古本屋にいっていい感じの絵本を見つけるとよく買っていました。絵が可愛いとか内容が面白いとか、そんな理由で絵本を買い集めていました。

最近では、電子書籍化や絵本のサブスクなども発展しています。スマホでYouTubeを見る代わりに、スマホで絵本を読む時代にもなってきていますね。

そんな最中、もうひとつ絵本にはパラダイムシフトが起きていると感じています。従来の、読んで聞かせるための絵本のあり方とは異なる「玩具としての絵本」の可能性です。

らくがき絵本:五味太郎

「玩具としての絵本」の代表作といえば、五味太郎『らくがき絵本』でしょう。

人の顔と体、そして無地の服だけが描かれたページに「ふくにもようをかきましょう」と書かれています。自分の好きな模様の服をそこにつくりだすことができます。すでに描かれたものにさらに書き足していく。そこにちょっとした言葉で足場がかかっているのです。

こんなふうに「玩具としての絵本」は、絵本を読んでお話を空想するだけでなく、絵本に触ったり、ときに手でちぎったりハサミで切ったりして、子どもの活動を触発していきます。

ここから、現時点でぼくが思いつく限りの「玩具としての絵本」を紹介していきたいと思います。

じぶんでめくる絵本シリーズ

本の仕様と物語を連動させて、ページを捲る楽しみを倍増させた絵本があります。古くはおさるのジョージの原作者で知られるH.A.レイがつくりだした『じぶんでめくる絵本』シリーズです。

Tupera Tuperaの作品たち

これを発展させた日本の作家が、この玩具としての絵本の代表的な作家であるTupera Tuperaです。『やさいさん』や『くだものさん』などはわが家でもボロボロになる程読まれています。

Tupera Tuperaはほかにも『かおノート』シリーズが有名です。シールを活用した玩具絵本は数知れずありますが、ユーモアに飛んでいて、創作意欲を刺激するこのシリーズは大人気ですね。大人がやってもマジでおもしろいです。

そしてこれは、絵や紙としての仕様に特別な工夫がされているわけでもないのですが、めちゃめちゃ遊べてしまう絵本『しつもんブック100』です。Tupera Tuperaが考案したシンプルな質問が書かれただけなのですが、子どもたちは質問するのもされるのも大喜びで楽しんでいます。文字を読めるようになってきた6歳ごろのお子さんにはピッタリのツールかもしれません。(問いかけを生業とするファシリテーターとしてはマストバイなアイテムでした)

あかちゃんがよろこぶしかけえほんシリーズ

印刷物というよりもより紙製の玩具に近い絵本が、『ころりん・ぱ』に代表されるひらぎみつえさんのあかちゃんがよろこぶしかけえほんシリーズです。厚紙に埋め込まれたパーツを指で押して動かすことができます。1歳程度の赤ちゃんが夢中になってこのパーツを動かし、穿り出そうとして、絵本自体が破壊されるという話もよく聞きます。それほど探索欲をそそる本なのですね。

ポプラ社のなりきり絵本シリーズ

絵本自体に穴をあけ、おめんにしてしまうという、ポプラ社のなりきり絵本シリーズも凄まじい玩具絵本です。

コんガらガっちシリーズ

ピタゴラスイッチで大活躍のユーフラテスが手掛ける「コんガらガっちシリーズ」は、物語の分岐を遊ぶゲームに近い絵本です。いま、わが家では空前のコんガらガっちブームで、関連作品12のうち、すでに3冊家にありますが、ぼくが大人買いしそうなのをグッと堪えて、子どもたちが地道に出会っていくのを待っています。

そして…最強の玩具絵本ムック本…

まだまだたくさん紹介したい玩具絵本がありますが・・・このいずれの絵本の要素も、悪魔的に吸収し合体させてしまったムック本があります。その玩具性はもはや恐怖のレベルです。

その創刊からぼくが応援し続けている、おそらく小学館さんが採算度外視(まではいかないかもしれないが明らかに売上ではない哲学を重視している)であろうシリーズ、それが「ぺぱぷんたす」です。

こちらのシリーズに関しては、ぼくは大ファンすぎて語る言葉を持っていません…。日本を代表するブックデザイナー祖父江慎さんとゲストクリエイターたちが、とにかく「そんな遊び方あったのか」と、紙と本の無限の可能性を示してくれる本です。驚きに満ちた体験をしたい方には、超絶おすすめです。

ひとまずまとめ:玩具絵本は探索の扉を開く

そんなわけで、今日はぼくのおすすめの玩具絵本の紹介をしてみました。とにもかくにもこの玩具絵本は、内容ではなく物としての紙・本・絵(ときにインク)が、子どものさまざまな動きを引き出していきます。

めくる、にぎる、きる、ちぎる、さわる、たどる、うごかす、かたる、といかける、かく、ひっかく、えらぶ…

こうした動詞をかず多く引き出してくれるものは、玩具絵本に限らず、子どもと世界のインターフェースとして、探索の扉を開いてくれる素晴らしい道具だと思っています。これからも玩具絵本を探索したいと思っていますので、これを読んだ方「こんな絵本もあるよ」とぜひコメントいただけたら嬉しいです。

個人的には、19世紀以降いかにしてこの「玩具絵本」が発展したか?という歴史を辿ってみたいと思っているので、そのような文献をご存知の方がいらっしゃったらぜひ教えてください。

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