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ニューヨーク・タイムズが社内記者向けのデータスキル研修講座のコンテンツを公開

2019年3月年末時点で電子版と紙媒体を合わせた購読者数の合計がのべ450万人を誇るニューヨーク・タイムズ。社内用に開発した記者向けのデータスキル研修用の資料を公開、というニュースがとても気になりました。

一時期は「データ・ジャーナリズム」ということばが話題になり、記者もプログラミングを学ぶべきだ、という議論もありました。ただ、どうしてもゼロからプログラミングを学ぶのは難しい、ということで一時期ほど話題にならなくなったように感じていました。自分も実は以前にパイソンというプログラミング言語を学習しようとして挫折した経験があるのでそんな記憶をほろ苦く思い出します。

そんな中、ニューヨーク・タイムズでは社内にデジタル・トランジション・チームというものが存在し、更に「データ&デジタルストーリーテリング」担当の編集者がいて、今回の講座を昨年スタートしたようです。

講座には合計60人の記者が参加し、3週間で構成されるそれぞれの講座の期間中は毎朝2時間、データ活用の基礎からビジュアライゼーションの方法、記事作成に至る具体的なスキルを学ぶことができるそうです。ユニークなのでは、記者だけではなく、記者の担当編集者も一緒にディスカッションする時間も用意され、職場の中で効果的にスキルを活かすことができるような設計になっているようです。さすが世界的に認知されている新聞社ならではの人的投資に対するゆとり、積極姿勢が伺えます。

実際に記者がどのように取材にデータ、スプレッドシートを利用したか、以下の記事で紹介されています。

公開されたGoogle ドキュメントのフォルダは以下からご覧いただけます。
動画などでの分かりやすい解説を期待していたのですが、実際テキストが多く簡単に読み込めるものではないのですが、例えばチームメンバー内でじっくり丁寧に観ながら必要な箇所を学ぶなどの場面ではきっと効果的な資料になるのではないかと思われます。政府が公開している様々なオープンデータのリンクがまとめられていたり、用語集、活用事例なども豊富に含まれています。日本語版でもこうしたものが公開されるといいですね。

ちなみにデジタルスキル育成に関してはGoogle も積極的に取り組んでいて、 Grow with Googleという無料のデジタルスキルトレーニングプログラムを今年の4月に提供を開始しています。こうしたプログラムを活用するのも一つの方法なのでは、と思います。

スプレッドシートの学習に関しては以下のような4時間分のオンライン動画からなるオンライン講座が存在してます(キャンペーン中なら1,200円)。或いは最近書店を訪れると必ず平積みになっている「エクセル本」もたくさん出版されています。こうした情報も意識して読んでみよう、と今回のニューヨーク・タイムズの取り組みについての記事を見て考えさせられました。

先日公開されて話題になっていた以下のようなデータに基づくアニメーション動画も簡単に作れるようになる時代が来るといいですね:)


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