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シニア vs 若手。静かなる戦いがこれから本格化する

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

いよいよ戦いの火蓋が切られました。個人的に以前から注目してきた動向ですが、昨今の人材不足の深刻化が企業を動かした格好です。

人手不足が深刻になる中、シニア人材の処遇を現役並みに改善する動きが出てきた。住友化学は2024年から60歳以上の社員の給与を倍増。村田製作所も24年4月以降、59歳以前の賃金体系を維持しながら定年を65歳に引き上げる。「人生100年時代」を迎え、労働市場で比重が高まる60代以上が意欲を持って働くシニア雇用の環境づくりが欠かせない。

日経電子版

ベストなシナリオは、年功序列の昇給昇格制度や退職金制度の見直しを完了し、ジョブ型に移行した後にやることだと考えています。現在の賃金カーブのままではシニアの給与が高止まりした結果、割を食うのは若手であるのが目に見えているからです。

賃金や賞与、さらにいうならば正社員というポジションですら企業内ではゼロサムゲームに近しいです。なぜならば、人件費はコストであり、経営的に見れば一定の幅にコントロールして抑えなくてはならないからです。よって、シニア側のコストが増えれば、その原資をどこから捻出するのか。ポジションを維持するのであれば、新卒や中途採用枠を抑えるなどの施策がセットになってきます。

現在、日本企業の平均年収のピークは定年直前、つまり55〜59歳に迎えます。米国では45〜49歳がピークであり、その後減少傾向となります。これは年功ではなく企業におけるシニアリーダーシップの職についているのがその年代が多いということを意味しています。

転職の意欲をしぼませる制度の改革も要る。勤続年数が20年を超えると退職所得控除の額が大幅に増える退職金優遇税制は長期雇用が定着していた時期の産物で、いまは労働移動を阻む代表例といえる。「税制の変更などを通じ、退職金など『後払い賃金』制度の見直しを促すべきだ」(安井氏)

(筆者略)

働く人の能力開発を本気で活発にしようと思うなら、規制改革や労働市場改革なども強力に進める必要がある。とりわけ、ひとつの会社に勤め続けることを当たり前にしてきた日本的慣行の見直しは、残業時間の上限規制導入など安倍晋三政権による「働き方改革」以上の大改革だ。その自覚が岸田文雄政権にあるだろうか。

日経電子版

こちらの記事も指摘している通り、年功序列が定着しきっている慣行を見直すのは、大変な大改革です。どのようにソフトランディングさせるのかは、国民の中でも賛否が多いトピックです(だからこそ、政治の出番なのですが)。まもなく、政治の世界でも世代間闘争が表面化してきます。つまり、たとえ若者が100%投票したとしても、シニア層の主流には勝てないというものです。政治でも経済でも、シニア vs 若者の構図は一層深刻度を増していくのでしょう。

企業側の話で言えば、唯一とも言える万能な解決策があります。それは「業績を伸ばし、規模を拡大すること」です。ポジションが増えればゼロサムゲームではなくなりますし、利益が増えれば原資も増えます。よって、シニアの処遇改善が業績アップにつながるという戦略につなげることが、経営者の大きな役割でしょう。


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タイトル画像提供:Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

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