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若者の与党支持はそろそろ危うい

今回の参院選で、自民党は若年層から強い支持を得ました。当然の結果でしょう。2012年末の第2次安倍政権発足以来、雇用の改善が際立っていたのが20~30代であることは、下記のグラフを見れば一目瞭然です。

若者の雇用改善がアベノミクスの成果なのか、それとも単に少子高齢化のせいなのかという判断は、とりあえず置いておきましょう。私が気になっているのは、過去の政権との比較において、現在の与党下の雇用が評価されたからといって、足元の雇用情勢が改善しているとは限らないということです。はっきり言って、足元の雇用情勢は着実に悪化しています。失業率は景気の遅行指数なので、前述のような選挙分析などには便利かもしれませんが、短期の景気判断には適していません。

ごく足元の雇用の実感を示す景気指標に、内閣府「景気ウォッチャー調査」の雇用判断DIがあります。今年の春先以降、雇用の現状判断DIと先行き判断DIは、ともに好不調の目安となる50を下回り続けています。直近19年6月のDIは前月に比べやや上昇していますが、これは昨年度の第2次補正予算が執行されて、公共事業関連の雇用が持ち直したためとみられます。しかし補正予算の効果はいずれ息切れします。この調子だと、公共事業息切れと消費増税のタイミングが重なるという悪い予感がします。

しかもタチが悪いことに、7月から9月にかけては、多少なりとも消費増税前の駆け込み需要が発生する可能性があります。政府が「駆け込み需要とその反動減を見極める」などと様子見をしているうちに、公共投資は水面下で息切れし、かつ値上げで不要不急の消費が手控えられ、その結果、雇用はますます悪くなるという踏んだり蹴ったりの事態が待ち構えているかもしれません。雇用の悪化は、まずもって若年層を直撃します。与党が頼りにしていた若年層の支持は、意外と脆いのかもしれません。




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宮嵜 浩(エコノミスト)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 景気循環研究所シニアエコノミスト。日本経済の分析・予測を担当しています。

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