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これでいいのか?と突き詰める―混沌時代の生き方

迷子になっている
政治・経済・産業・社会・生活、日々いろいろなことがおこる。いままでならばあり得なかったことがおこる。どうなっているのだろう?これまでのやり方ではうまくいかなくなった。現在、私たちはどこにいるのだろうか?私たちは、どこに向おうとしているのだろうか?

混沌としている
混沌は、混沌とは物事が入り混じり区別できない状態ではあるが、混とは「混 = シ (水) + 昆 (丸くまとまる)」で、水が流れて丸くまとまっていく様をいう。つまり混沌とは、次に向かってまとまろうとしている状態である。その次が見えていないが、次は必ずある


1 バランスをとるということ

バランスがとれていない

日本人は
均斉がとれていないと
バランスがとれていないと
気持ちが悪いと感じた
違和感を覚えた

バランスとはなにか?
一点に合わすこと

世界は、Aがだめ、Bがだめになると
Cでどうだと考える
日本は「AでありBでもある」
と融合して、バランスをとろうとする

バランスがとれなくなってきた

それだけではない
バランスがとれていないことに
気にならなくなっている

2 日本の仕事の流儀

日本には、「あんばい」という言葉がある
具合よく並べたり、ととのえたり
物事を進めることを「按配」というが
もとは日本料理で塩と梅酢を加減して
味の加減をしていたことから生まれた

塩梅(えんばい⇒あんばい)
が言葉のルーツ

日本料理の形は
季節、食材、人の体調
によって変える

器も料理の順番も変える
味つけも変える

料理に使う醤油や塩の配分
冬は7対3の配分
初夏は4対6と
夏には3対7と
季節ごと、旬ごと、食材ごとに変えるのが
本物の日本料理人

それが、料理本やネットのレシピの
料理ごとの調合・配分比率で
年間、同じ味つけをするようになった

だから
季節、食べる人の体調によって
「美味しい」と感じたり
感じなかったりする

それは料理だけではない
前につくったやり方を繰返したら
同じものになるというモノ・コトもあるが
同じようにしても
同じものにならないモノ・コトがある

なにかをつくるときに
1回で、「これだ!」というものが
できあがることなど
そうそうない

こうしたらいいのかな
この方がいいのかな

なんどもなんども
塩梅を求めて
佳きもの、美味しいものをめざして
つくってきたのが

日本の仕事の流儀だった

3  これでいいのか?を突き詰める

しかし今の日本の
モノづくり、商売開発、人材育成で
これが抜けている

ネット、生成AIで流れてくる
「ノウハウ」や「レシピ」の「何対何」が
模範解答、標準化、スタンダード
となっている

それを疑問を抱かないで
みんな受け入れようとする

しかしなかには
「本当にいいのだろうか?」
と思うこともあるが
みんなが「これでいいのだ」と言うから
「ちがうのではないか」といえなくなる

今の日本社会には
そういうことがいっぱいある

モノづくりは
「塩梅を求めつづける」ことが真髄

塩梅を求めて
トライ&エラーして実現した
バランスした状態を固定したもの
として考えるのではなく
ひたむきにバランスを求めていく

何度も何度も工夫して
バランスした状態が
できたからといって
その状態を固定して
考えるのではなく

バランスを求めつづけ
「これでいい」とおもった
その次の瞬間に
「これでいいのか?」
と問いかける

そもそも
「これでいいのか?」
というのは、「これでいい」
が実現していないと、そういえない

「これでいい」という状態が
あってからの「ズレ」を
「これでいいのか?」
と問いつづけるのがプロだった

しかし現代の様々な問題は
「これでいい」ができていない
ことからおこる

こんなことでいいのか?
わが社は、こんなことでいいのか?
という前に、「これでいいだろう」
ということを実現して
示さないといけないのに

それができていない
していない人、会社が多い

「これがいい」ができたうえで
「これでいいのか?」
と考え、行動しないといけない

「これでいい」がないのに
これでいいのか?」はない

自転車もそう。自転車はバランスをとりつづける。これなら、もう大丈夫、走りつづけるという状態を固定していたら、転(ころ)んでしまう

自転車に乗るというのは、つねにバランスをとっているのは、「塩梅」を求めつづける姿そのもの。右に倒れるでもなく、左に倒れるのでもなく、両手でハンドルをとりながら、バランスをとりつづけないと転んでしまう

note日経COMEMO(池永)

私たちが失くしつつあることは
1回できあがったバランスを
固定的に捉えるのではなく
これでいいのか
次はこうした方がいいのか
「塩梅」を求めつづけること

「塩梅」を求める心とスタイルを
多くの人が忘れつつある

ここからも、日本の力がおちていく

4 失敗は「これで一巻の終わり」ではない

変われる企業と変われない企業
変われる人と変われない人
そのちがいはなにか

経験のある人は
慣性(イナーシア)が働くので

“きっとこうなる”
“前もやったけど、だめだった”

とブレーキを踏んで、新たなことをしない

さらに、“やらないこと”を
「リスクマネジメント」
といって正当化する

“やってみないとわからない”ではなく
“やってみてどうなるのか”
をチャート(海図)として持って、臨む

その前提として
素直さ、柔軟性
変えていく力を養う

もうひとつ必要な力がある
見限り・見切り、次に向かう力

ビジネスは「①見込み ②見定め ③見極め ④見限り ⑤見切る」が鉄則であるが、「④見限り ⑤見切る」ことをしない企業が増えた。時代速度・社会速度が高まるなか、“機能不全”となった制度・仕組み・方法をいかに見限り・見切り、新たなモノ・コトを考え、導入して、失敗して、再び作り直して、また試して、次のステージに向けた“試行錯誤”を繰り返せるかである

note日経COMEMO(池永)

失敗は、英語ではmistake
取り損なうこと。
取り損なったら
次は取ろうということ

失敗は
「これで一巻の終わり」ではない
またチャレンジしたらいい

パラダイムシフトが進行している混沌期
これからの社会・ビジネス
において求められるのは

“これでいい”ではなく
“これでいいのか”
と突き詰めるのが、混沌時代の生き方

明日から、混沌とするトランプ2.0のアメリカに行く



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